水難事故による要救助者の傾向 浮き具をつけていても危険な場合も 多発する時間帯とは

暑い季節は水難事故に注意(写真はイメージ)【写真:写真AC】

気温が30度を超える日も増え、本格的な夏が近づいています。海やプールで思いきり泳ぎたくなりますが、危険はつきものです。日本ライフセービング協会は、昨年の監視・救助活動から要救助者の傾向を公開。もしもに備えて浮き具をつけていても、事故に遭うこともあるようです。

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救助された人の49%が浮き具を使用

日本ライフセービング協会は、全国215か所の海水浴、2か所の湖水浴場、3か所のプールで行われた、ライフセーバーによる2023年の監視・救助活動の調査結果をまとめました。

公開されたレポートによると、要救助者のうち、浮き輪などの浮き具を使用していた遊泳者は、使用していない遊泳者の1.6倍で、全体の49%を占めていました。また、離岸流や風が原因の要救助者は、浮き具を使用していた人がとくに多かったことも明らかに。なお、要救助者は男性の比率が高く、女性の約1.7倍でした。

要救助者の年齢は24歳以下が多く、そのなかで、意識がなく溺れていた人は19歳以下が多いこともわかりました。救助活動は午前中から夕方まで行われていますが、要救助者の発生は昼過ぎが多く、5~9歳、10~14歳の救助は午後2時台に多発。これは、気温が上がり、水に入りたくなる時間帯であることや、疲労や昼食後の眠気などが原因と考えられるようです。

同協会は、「水辺の事故は人の意識、知識、行動で予防ができます」とし、水辺で遊ぶ際には一人ひとりが備えることの重要性を訴えています。

浮き具をつけていても油断は禁物です。風や波、潮の流れによっては、潜在的な危険を招くおそれも。浮き具の浮力を過信せず、気象や海の状況を正しく把握し、遊泳エリアの注意事項や安全指導に従うことが大事です。もしも救助が必要になった場合は、「まずは落ち着いて、持っている浮き具を離すことなく、救助を求めてください」と同協会は呼びかけています。

海やプールで安全に楽しく過ごすために、浮き具の使い方や泳ぐときの正しい知識などを身につけるのも大切ですね。

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