新紙幣1000円札の顔になる“北里柴三郎” 正しい苗字の呼び方を徹底調査 ひ孫は「どちらでもいい」

メ~テレ(名古屋テレビ)

新紙幣の発行が迫る中、1000円札の顔となる“近代日本医学の父”の苗字を巡り、ある問題が起きているといいます。

7月3日に発行される、新しい紙幣。 20年ぶりに、デザインが変わります。 新しい紙幣の“顔”に選ばれたのが、この3人。 まず1万札は、“近代日本経済の父”、渋沢栄一。 5000円札は、女性の地位向上や教育に尽力した、津田梅子。

北里柴三郎、フルネームどう読む?

そして、1000円札には―― 破傷風を予防・治療する方法を発見し世界を驚かせた、北里柴三郎。 “近代日本医学の父”とも呼ばれていますが、フルネームだと、どう読んでいるのか。 街の人に話を聞きましたが、皆さん「きたさと」と「きたざと」に分かれ、読み方にあまり自信が無いようです。 メ~テレの「ウルフィアプリ」で同様のアンケートを行ったところ、3割が「きたさと」、6割が「きたざと」という結果になりました。

柴三郎ゆかりの施設は…

「きたさと」、「きたざと」、いったい、どちらで読むのが正解なのでしょうか。 「国立印刷局」のホームページには、「きたさと」と書いてあります。 では、柴三郎ゆかりの施設はというと―― 生まれ故郷の熊本県小国町の施設は、「北里(ざと)柴三郎記念館」としています。 その一方で、「北里(さと)研究所」。 読み方を「さ」としている、ワケを聞きました。 「北里柴三郎がドイツ留学するにあたり、ローマ字表記をする。ドイツの人たちは、『ZA』を『ざ』と発音してくれない」(北里研究所 森孝之さん)

留学先のドイツで「きたざと」と呼んでもらうために…

本人は元々、「きたざと」と名乗っていましたが、留学先のドイツで「きたざと」と呼んでもらうためには、「ZA」ではなく、ドイツ語表記で「ザ」と読む「SA」の表記にする必要がありました。 この表記だと、英語圏では濁らずに「キタサト」と発音します。 「北里自身も、名前は『きたざと』。『ざ』と濁ると言うことが、めんどくさくなったんでしょうね。学術世界で生きていく上において、英語圏が主流になってくる。北里研究所・北里大学が、北里が創立開校したので、ローマ字表記をしたときは『SA』を用いている」(森さん)

地元は「きたざと」が当たり前

また、熊本の「北里(ざと)柴三郎記念館」にも話を聞きしました。 「北里(ざと)村というのがあり、そこで柴三郎は生まれたので。こちらでは全部『きたざと』で統一している。地元は『きたざと』が当たり前。『きたざと』以外ありえない」(北里柴三郎記念館 北里英郎館長) そんな館長の正体は―― 「ひ孫にあたる」(北里館長) なんと、北里柴三郎のひ孫。 お名前は、北里かと思いきや―― 「東京から2年前にこっちに来て、東京では『S』です」(北里館長) 名刺には、「KITASATO」と記されていました。

呼び方は「どちらでもいい」

「どちらでもいい、簡単に言うと。私も九州で講演をする時は、『きたざと』と言っている。そういう風に区別して、発音してもらって構わない。対象となる人物は同じなので、論争する必要もないと個人的に思っている」(北里館長) なんだか、ひ孫の代まで、ややこしくなっていましたが、要するにグローバルな読み方が「きたさと」。 地元では「きたざと」が一般的で正解というものはなく、どちらも間違いではないようです。 なお、名古屋市教育委員会によると、公立中学校の社会科の教科書は「きたさと・しばさぶろう」と書かれているということです。

東海地方にもゆかりが…

いよいよ、来週(7月3日)に迫った新しい紙幣の発行。 東海地方にもゆかりが―― それが、愛知県犬山市にある博物館・明治村。 この建物は東京から移築されたもので、柴三郎は、ここで細菌学を学びました。

5000円札の津田梅子に会える?

そして「帝国ホテル」の設立に関わったのが、1万円札の渋沢栄一です。 ちなみに、5000円札の津田梅子には、会うことができる!? それが、明治偉人隊 “津田梅子”さんです。 Q.新紙幣発行の機会をどう捉えているか 「お札が変わるということは、生活が徐々に変わっていく。早く皆さまのお手元に、私の顔が届いてほしい」(明治偉人隊 “津田梅子”さん) 新しい紙幣は7月3日に発行です。

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