松江ゆかりの明治の文豪ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の妻セツ(1868~1932年)を紹介する企画展が2
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7日、島根県松江市奥谷町の小泉八雲記念館で始まった。セツは来秋放送が始まるNHK連続テレビ小説「ばけばけ」の主人公のモデル。手紙や茶道具などの愛用の品々から、八雲を支え、たくましく生きた生涯にスポットを当てる。
セツは松江藩士の次女として生まれた。明治維新で武士階級がなくなり、経済的に苦しい生活を送った。英語教師として松江に赴任した八雲と出会い結婚。夫婦生活は13年9カ月と長くなかったが、日本の物語の収集役や語り手となり、八雲の執筆を支えた。
展示は八雲の没後120年、八雲の名著「怪談」の出版120年の節目に合わせて企画され、テレビドラマ化が偶然重なった。セツの生い立ちや八雲との出会い、晩年の暮らしを直筆の手紙や愛用品など約70点から浮かび上がらせる。
セツが子どもの頃に外国人にもらい、外国人を好意的に思うきっかけとなったルーペや、日本語が上手でなかった八雲と交わした手紙などを展示する。ルーペは生涯の宝物で、手紙は夫婦独自の「ヘルン言葉」が特徴的。国際結婚が珍しかった時代、コミュニケーションの様子がうかがえる。
八雲と死別したセツは晩年、能や茶道に親しみ、心豊かに過ごした茶道具も並ぶ。
開幕記念セレモニーで小泉凡館長は、セツが八雲と出会うまでの23年間、死別してからの27年間も大事な時期だったと述べ、「たおやかな生き方を知ってほしい」と話した。
富山県立山町から訪れたパート挨沢秀一さん(72)は、NHKドラマの影響で「セツのファンが増えてほしい」と期待した。
企画展は2025年6月8日まで。入館料は大人410円、小中学生200円。