クマ人身被害相次ぐ青森・八甲田 青森県山岳連盟の山開き登山中止へ 関係者、県に駆除要望

小谷副知事(左)に要望書を手渡す服部会長=27日午後、県庁

 八甲田山系でクマによる人身被害が相次いでいることを受け、青森県山岳連盟の服部一雄(くにお)会長は27日、八甲田で7月7日に実施予定だった「八甲田山の日」記念山開き登山大会を中止する方針を示した。

 服部会長は、十和田八幡平が国立公園に指定された「八甲田山の日」(7月10日)を記念し、毎年7月に同大会を開催している実行委員会の会長も務める。中止方針は、服部会長ら県内の山岳団体関係者4人が27日、県庁で行った要望活動の席上で明らかにした。

 服部会長は「今年の登山大会や登山道整備などの活動は中止せざるを得ないと考えている。(危険な状態が)ずっと続けば、八甲田の観光事業にも影響が出てくる」と述べた。

 要望書は、同実行委と八甲田振興協議会(栁谷章二会長)の連名で「クマを駆除し、再び八甲田山に安全安心を取り戻してほしい」と県に求める内容。服部会長から要望書を受け取った小谷知也副知事は「青森市や国などと連携を図り、県として最大限の取り組みを行いたい」と話した。

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