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「リボ払いに手を出してはいけない」という話はよく耳にすると思いますが、その本当の恐ろしさをどれだけ理解しているでしょうか? 20代の税理士は0.6%しかいない中、23歳で税理士となった安江一勢氏の著書『26歳の自分に受けさせたいお金の講義』(すばる舎)より、一部を抜粋して紹介する本連載。安江氏が、リボ払いの危険性について、具体的なシミュレーションを交えて詳しく解説します。
リボ払いだけは、手を出してはいけない
借金には、いい借金というのもあります。そんな「いい借金」の2つの条件である、
(1)借りたお金の用途が明確である
(2)返済計画がしっかりと立てられている
が整った場合であっても、絶対にオススメできない、手をつけてはいけない借金があります。それが「リボ払い」です。
リボ払いはその仕組みによって、一発で悪い借金に判別されます。なぜなら、返済計画を立てることがほぼ不可能だからです。それくらい利息が高いのが、リボ払いの大きな問題点です。リボ払いとは、正式名称をリボルビング払いといい、クレジットカードの支払い方法のひとつです。リボ払いのほかには、一括払いと分割払いがあります。
一括払いは、指定されたカードの引き落とし日にクレジットカードの使用額を一括して支払う方法で、分割払いは何ヵ月かに分けて、分割して支払う方法です。
では、リボ払いはというと、「あらかじめ設定しておいた金額を支払う方法」のことを言います。一見、分割払いと同じように感じるかもしれませんが、リボ払いは分割払いとまったくその中身が異なります。これを知らずにリボ払いを使ってしまうと、知らないうちに返済が膨れ上がり、大変なことになってしまいます。
リボ払いのメリットとしては、どれだけ買い物をしても、毎月の支払額が変わらないことにあります。そのため勘違いをして、毎月5万円返済するだけでクレジットカードを使い放題になると思っている方もいます。返済する金額が定額であることは間違ってはいませんが、決してカードが使い放題になるわけではありません。
最近ではクレジットカードの契約の際に、リボ払いを設定するように促される傾向にあり、リボ払いのことを知らないと、担当者に言葉巧みにリボ払いの設定をさせられてしまうことでしょう。
でもこれはNGです。リボ払いだけは絶対に断ってください。商品券やポイントなどで釣ってくる場合もありますが、その甘い餌に釣られないようにしましょう。
なぜ、これほどまでリボ払いを止めるのかというと、リボ払いの手数料は異常なほど高いからです。そして、この手数料は複利で増えていくので、エグいくらいに返済額が膨れ上がっていきます。お金を返しても返しても、減らないという具合になってしまうのです。
その手数料の高さ、なんと年利15%です。クレジットカード会社によって多少の差はありますが、多くの場合において、この年利が採用されています。
さらに、複利で計算がされていることに加え、支払いも一定額であることから、いくら払っても返済が終わらないというロジックになっているのです。
リボ払いで買い物をした場合のシミュレーション
事例でお伝えしていきます。
あなたが1月に30万円のパソコン、2月に6万円の時計を買い、3月以降そのクレジットカードでは何も買っていなかったとしましょう。これらの買い物をリボ払いでおこない、その支払額を月4万円にしていた場合、合計36万円の買い物の支払いが終わるのは、その年の11月になります。総支払額は38万円となり、2万円は手数料として取られてしまいます。毎月の支払額の4万円のなかに、ちゃっかり手数料が入っているのです。
ただ、実際には買い物がこれだけということはないでしょうし、3月以降も買い物をすることでしょう。そうすると、自分がいくらの未払いがあるかを把握できないまま、何も考えずに4万円を支払い続けることになります。
そしていつの間にか100万円単位の未払いが残っていたということにもなりかねないのです。
ちなみに同じ事例で、毎月の支払額が1万円だった場合には、手数料はどうなると思いますか? 手数料がなければ、36万円を毎月1万円ずつ支払うので、36ヵ月(3年)で支払いが完了します。
しかし、毎月の支払額を1万円に設定したリボ払いでの支払いの場合には、手数料も含めたすべての金額の支払いが終わるまで、なんと「4年1ヵ月」かかります。そして、手数料を含めた総支払額は「48万円」ほどになります。36万円の物を買って、48万円を支払うことになってしまうのです。
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リボ払いは悪い借金の代表例です。ほかにも銀行などでできるキャッシングも年利が高く、多額の利息を支払うことになるので、オススメしません。
知識がないことを理由に、リボ払いを設定してしまい、あとからお金に困ってしまうことにならないように。リボ払いに手を出すことはやめておきましょう。
安江 一勢
税理士