【ドライブグルメ】圏央道・厚木PA(外回り)で、地元の歴史とド定番の味を楽しむ

ハイウエイ ドライブの楽しみのひとつといえば、SA(サービスエリア)やPA(パーキングエリア)での食事やおみやげ。今回は圏央道の厚木PA(外回り)のグルメを紹介しよう。

東名高速と中央道の中間にあるPA

時代劇に出てきそうな、和風の屋敷を思わせる外観が特徴的な厚木PA(外回り)。

首都圏をぐるりと囲み、東名高速をはじめ、中央道、関越道、東北道、常磐道、東関東道と接続する、関東の重要な高速道路のひとつとなっているのが圏央道(正式名称は首都圏中央連絡自動車道)です。

その圏央道を東名高速から中央道へと向かう間、相模川沿いにあるのが厚木PA(外回り)です。黒をベースに和風の設えをした建屋を持つPAで、今回紹介するのは二品のグルメ。ひとつは「とん漬け丼」、もうひとつが「醤油ラーメン」です。どちらも寄り道してでも試してみたい、おいしさがあります。

江戸時代から続く、厚木の伝統の料理

厚木PA(外回り)のフードコート「あつぎ食堂」にて提供される「とん漬け丼」(1230円)。

厚木PA(外回り)のフードコート「あつぎ食堂」で提供される名物グルメが「とん漬け丼」(1230円)です。

この「とん漬け」は、厚木で江戸時代から愛されており、文化庁の「100年フード」に認定されるほど由緒正しいもの。その由来は江戸末期。地元の萩野山中藩で、人寄せで集まった大勢の武士に提供する食事として、猪肉に味噌を塗って焼いたのが始まりと言われています。そして黒船来航後、厚木では居留地の外国人向けの養豚が盛んになり、豚肉店が増えるのにあわせて、味噌を塗って漬け込んだ豚肉を焼く「とん漬け」が定着したというのです。

厚木PA(外回り)では、「とん漬け」の定食からスタートし、5年ほど前からドンブリに変更。今では、常にフードコートのトップ3に入るほどの人気メニューになっているとか。

さて、実際に「とん漬け丼」を前にすると、ふんわりと味噌の香りが鼻をくすぐります。国産の豚肉は、1切れ40グラムが3枚載っています。ドンブリを覆う、その大きさにびっくり。まずは、お肉を口の中に放り込めば、味噌のうま味と、豚肉の甘み、そして少し焦げた香ばしさが混然一体に! ごはんと一緒に食べれば、さらにおいしさがアップ。そのおいしさに、箸が進むこと進むこと。さすがは100年を超えて愛されるだけのグルメと言えるでしょう。

定番中の定番ならではのおいしさを実現する一杯

フードコート「あつぎ食堂」で提供される「醤油ラーメン」(800円)。まさに「ザ・ラーメン」といった感じ。

続いて紹介するのが「醤油ラーメン」(800円)。透明な醤油ベースのスープに、細いちぢれ麺。具材はチャーシューとメンマ、ネギ、そしてノリのみ。ストレートにして、シンプルそのものの、ドがつくほどの定番の「醤油ラーメン」です。

ところが、当たり前のような一杯が、当たり前ではありません。この当たり前のような定番は、全国チェーンの外食会社が本気を出したという一杯だったのです。厚木PA(外回り)を運営するのは、ファミリーレストランでも有名なロイヤル。全国各地のSA/PAでフードコートの運営も行っています。そのロイヤルが「全国どこでも食べられる、ロイヤルならではのラーメンを作ろう」と試行錯誤の上に生み出したのが、今回紹介する「醤油ラーメン」だったのです。ポイントは、誰が調理しても同じおいしさを再現できるというところ。味がブレないことを重視されているとか。

そんな本気の定番グルメが厚木PA(外回り)に導入されたのは、2024年の春から。すると、何も告知も宣伝もしていないというのに、みるみる店内での販売ランキングが上がっていったというのです。クオリティアップしたのが、ストレートに売り上げに直結しているのです。やはり、おいしいものは、誰が食べても同じなのでしょう。

いただいてみると、鶏ガラベースのスープはやや甘めでサッパリした後味。そして、麺との相性、バランスも抜群。どこか懐かしい。でも、間違いなくおいしい! 何を食べようか悩んだときは、間違いなくおすすめできる一杯です。(文と写真:鈴木ケンイチ/取材協力:中日本エクシス)

厚木PA(外回り)のフードコート「あつぎ食堂」。片側は一面が窓になっており、明るく開放感がある。

●営業時間
フードコート「あつぎ食堂」:6時~23時
※コロナ禍の影響により、営業時間が変更になる場合があります。
価格等は、2024年6月時点のものとなります。

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