冨永愛さんが新刊の話に「実は躊躇してしまった」意外な理由

日本人として唯一無二のキャリアをもつ、モデルで俳優の冨永愛さんが「コンプレックスを乗り越えて幸せをつかむために心がけてきたこと」を綴った最新エッセイ『冨永 愛 新・幸福論 生きたいように生きる』が6月28日に発売されます。

前編に続き、さらに著作にまつわるお話を伺いました。

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出版の話を受けたときの率直な心境は…

――今回の本を出すにあたっての心境をおしえてください。

「コンプレックスを乗り越えて幸せをつかむために、冨永さんが心がけてきたことを本にしたい」と出版のお話をいただいたとき、今の自分が書くべきなのか、実は最後まで悩みました。たとえば70代を過ぎてから書くのならまだしも、40年ちょっとしか生きていない人生論を書くのは、なんだかエラそうだな、生意気かなって感じてしまって。でも、私が今思っていることを素直に書いてみて、読んでくださった方のヒントになるのであればうれしいと思い、出すことにしました。

――「今はわりと幸せ」と書かれていましたが、幸せだと思えるようになったのはいつ頃ですか?

ほんとうにここ最近です。 17歳でのデビューや出産、その時々で幸せを感じることはもちろんありましたけど、今感じている幸せは、これまでを振り返って感じることのできる幸せです。ある程度の年月を重ねないと感じられない種類の幸せなんだと思います。

――幸せを感じている今と昔を比べると、思考回路は変わりましたか?

変わりましたね。すごく楽になりました。経験を重ねて予測がつくようになった分、いろいろなことをスムーズに対処できるようになりました。自分の性格もよくわかるようになってきて、これをしたら絶対辛くなるだろうな、と予想できるからリスクを避けることもできるし、必要だと思ったら自分からあえて挑戦することもできる。だから、以前に比べたらいろいろなことが楽になりましたね。体は疲れやすくなりましたが……。(笑)

冨永さん流・気持ちの切り替え方

――著書の中で「“落ち込みの沼”にははまらない。いつもの私に戻って眠る」とありましたが、気持ちを切り替える秘訣は?

大変な仕事をした日などは、お酒を飲みながらその日の出来事を思い返して、よかったこと、悪かったことを頭の中で整理しつつ「やっぱりこんな風に伝えたほうがよかったかな」とか、仕事のことや対人関係についてあれこれ考えることもあります。私は考えながらでも眠れてしまうタイプなんですけど(笑)なるべく幸せな気持ちで眠りにつきたいので、布団に入ってからは考えない!寝る前は、次の日着ていく服を考えるようにしています。何を着ようか考えているうちに寝てしまうので、けっこうおすすめですよ。

――多くの人が自分の生い立ちや、容姿など何かしらにコンプレックスを抱えていると思います。今回の書籍のタイトルのように『生きたいように生きる』には、どうしたらいいでしょうか。

“生きたいように生きる”というのは、すべてから解放されて生きたいように生きるという意味ではないんです。誰しも生い立ちや生きている環境、仕事など、いろいろなものに縛られています。その条件の中でどんな風に生きていきたいのかを考えて、自分を信じて判断して、自分なりに選択することが、生きたいように生きるということだと思っています。

わたしは、生きたいように生きているように見えると思うんですけど(笑)、わたしにも生きている環境や仕事があって、できないこともあります。41年生きていたら、自分の選択を後悔したこともあります。でも、「自分で選択した」ということが何より大事だし、自分自身のことを信じて生きていくことが必ず幸せにつながると思っています。

――「40代、おしゃれを置き去りにしない」という章で「大人の女性こそ、おしゃれして出かける機会を~」とありましたが、似合うものがわからなくなってきたという読者にアドバイスをお願いします。

おしゃれは、実際にいろいろ着てみて試行錯誤して学んでいくしかないですよね。肌の色がみんな違うように、似合う色もみんな違うはず。40代って自分が見えてくるから、全部振り出しに戻ってしまった気がするんです。化粧品もファッションも振り出しに戻って、合うものをまたイチから探さないといけない。それを面倒に感じる方もいると思います。でも、それも個人の選択。おしゃれはもういいやとあきらめて、もっと違うところに幸せの軸を持っていくのもアリだと思う。何が自分の幸せにつながるのか、1人1人違うものだし、自分で選んで決めていいと思います。

私も気を抜きたいときはジャージで過ごすときもありますよ。でも、その割合が増えていっちゃうとダメだろうなって。デートや女友達とのランチとか、あえておしゃれして出かける機会を楽しんだり、1人ファッションショーの気分でワードローブの前で次に着ていく服のコーディネートを考えたっていい。自分に似合うファッションを、どんどん開拓してアップデートしてみてください。

インタビューを通じて、何に対してもよりよい選択ができるように、普段からあらゆるものにアンテナをはっている様子が想像できるような気がしました。新刊エッセイ『冨永 愛 新・幸福論 生きたいように生きる』には、気になることは徹底的に調べて、選択して、行動する等身大の姿が綴られています。本を通じて冨永さんの思考に触れれば、生きたいように人生を押し進め、幸せに生きるヒントが見つかるかもしれません。

『冨永 愛 新・幸福論 生きたいように生きる』冨永 愛・著 1,760円(10%税込)/主婦の友社

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(※電子書籍も同時発売)

冨永 愛(とみなが・あい)

17 歳でNYコレクションにてデビューし、一躍話題となる。以後、世界の第一線でトップモデルとして活躍。モデルのほかテレビやラジオパーソナリティ、イベント、俳優などさまざまな分野にも精力的に挑戦。俳優としては、2019 年放送のTBS日曜劇場『グランメゾン東京』をはじめ、 2023年から放送された NHK ドラマ10『大奥』では吉宗役として主演を務め話題となった。日本人として唯一無二のキャリアをもつスーパーモデルとして、チャリティ・社会貢献活動や日本の伝統文化を伝える活動など、その活躍の場をクリエイティブに広げている。2024年4月、全国の伝統文化を訪ねる番組「冨永愛の伝統to未来」 (BS日テレ)がスタート。公益財団法人ジョイセフアンバサダー、消費者庁エシカルライフスタイル SDGs アンバ サダー、ITOCHU SDGs STUDIO エバンジェリスト。著書に『冨永愛 美の法則』『冨永愛 美をつくる食事』(ともにダイヤモンド社)ほか。

ヘア&メイク/美舟(SIGNO)

スタイリング/SOHEI YOSHIDA(SIGNO)

撮影/佐山裕子(主婦の友社)

衣装協力/シャツ、スカート、シューズ、ベルト、アクセサリー(すべてロエベ /ロエベ ジャパン クライアントサービス)

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