飲み会で幹事が「総額10万円」を参加者から集め、こっそり「カード払い」していた! 幹事だけが「ポイント」をもらうのはNG? 参加者にも還元すべきなの?

幹事がカード払いをする理由

幹事が参加者から現金を集めたのにもかかわらず自分のクレジットカードで支払う理由は、ポイントを貯めるためでしょう。クレジットカード各社は、利用金額に応じてポイントやマイルの付与、キャッシュバックなど、利用者に還元するサービスを行っています。

例えば20人の飲み会を想定しましょう。もし1人当たりの飲み代が5000円だった場合、合計10万円の支払いをすることになります。幹事が参加者から現金を集め、そのまま現金で支払いをするのが自然です。

しかし利用金額に対して1%のポイントを還元するクレジットカードを使って支払った場合はどうでしょうか。幹事は1000円のポイントを得られます。

還元率が高かったり、支払い額が多かったりすればさらに多くのポイントを貯められます。支払い方法を変更するだけでこのような特典を得られるのは、幹事にとってメリットだといえるでしょう。

幹事が得たポイントの還元を参加者が受けるためには

このような幹事の行為を「ズルい」と感じる人もいるかもしれません。幹事が得たポイントを参加者に還元してもらう方法はいくつかあります。

例えば飲み代総額から端数を切り捨てて幹事以外の参加者は少なく支払う方法です。1人当たりの飲食額が5050円であっても実際の徴収額は5000円にするなどすれば、参加者もカード払いのメリットを得られます。

あるいは、もらったポイント分の現金相当額でガムやあめなどを購入してもらうのも手です。二次会や次回の飲み会の参加費を少し多く払ってもらうという方法も考えられます。

このように、幹事が得たポイントが公平に参加者に還元されれば、「ズルい」という雰囲気にならずに済むでしょう。

事前に参加者が知っていればトラブルを避けられる

特典を得られるカード払いとはいえ、幹事がポイントを得ることが必ずしも不公平だとはいえません。

幹事には会場決めや日程調整、参加者への連絡、会費の徴収、当日の進行など、多くのことを任せています。それなりに負担があることから、会計総額の数パーセント程度のポイントを独り占めしたとしても、一般的には許容範囲内の行為とみなされるでしょう。

ただ参加者の同意を得ず「こっそりと」支払ったことに反感を持ってしまったという人もいるでしょう。後でその事実が発覚したときに、「ポイントを独占した」と不満に思う気持ちも理解できるものです。

そのため事前に会計方法を確認し、「幹事の特権としてクレジットカードで支払ってもいい」旨を参加者で共有しておくことも、穏便に済ませる一つの方法です。

幹事も大変! 感謝を忘れないように

幹事は大変な役割を引き受けてくれているため、参加者側が「こちらにも何らかの還元をしてほしい」と求めるのはあまり気持ちの良い行為とはいえないでしょう。本来はどんな方法で支払うのかは幹事に一任し、ポイントなどの特典を得ることを快く認めるのが飲み会のマナーといえるかもしれません。

とはいえ、クレジットカード払いによる還元ポイントが大きくなれば、参加者も良い気分にはならないものです。幹事には事前に「幹事特権を活用したクレジットカード払い」の選択肢も提案し参加者全員で共有しておく、ときには徴収する金額を調整してもらうなどして、できる範囲で後から参加者が不満を感じないようにすることが大切です。

ただし仕事に関係する飲み会の場合、社内規則で個人のクレジットカードの使用が禁止されている場合もあります。事前にルールを確認しておきましょう。

執筆者:山田麻耶
FP2級

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