元ペイトリオッツTEグロンコウスキー、以前からメイヨHCがコーチになる未来を予見

ロブ・グロンコウスキー【AP Photo/John Bazemore】

ニューイングランド・ペイトリオッツがジェロッド・メイヨをヘッドコーチ(HC)に昇進させる決定をしたことは、フットボールファンの間で驚きをもって受け止められたかもしれない。しかし、現役時代やアシスタントコーチ時代からメイヨを知っている人々にとっては、それほど驚くことではなかった。

かつてペイトリオッツでチームメイトだった元ワイドレシーバー(WR)ジュリアン・エデルマンと元タイトエンド(TE)ロブ・グロンコウスキーは、10年以上前からその可能性を予見していたという。

グロンコウスキーはエデルマンがホストを務めるポッドキャスト“Games With Names(ゲームズ・ウィズ・ネームズ)”に出演した際、「ジェロッド・メイヨはフットボールフィールドでみんなを並べるときも、ミーティングルームにいるときもすごい存在感を放っていた。彼はディフェンス側で起こるどんな状況でも、各選手がどこにいるべきかをすべて把握していたよ」と語り、こう続けた。

「彼はオフェンスの読み方を知っていたし、プレーコールをするタイミングも分かっていた。プレーコールをするときはいつも正しかったし、そうじゃなければ、少なくともディフェンス全体にそのプレーコールのタイミングを知らせていたんだ。彼はいつも警戒していたし、それが彼の人生における次の段階に生かされるといつも感じていた」

メイヨのコーチへの転身はすぐには実現しなかった。インサイドラインバッカー(LB)コーチとしてペイトリオッツのスタッフに加わるまでに3年近くかかった一方、プロボウラーになった時に見せたのと同じ資質があることは、すぐに示されている。アシスタントとして5シーズンを過ごした後、ペイトリオッツはメイヨをビル・ベリチック元HCの後任となる次のリーダーとして指名することを決めた。

スポーツの最高レベルでは、頭脳的な要素が優れた選手と偉大な選手を分けることが多い。ペイトリオッツはメイヨがその強みを生かして、新しい役割で成功することを期待している。その証拠が必要なら、グロンコウスキーに聞けばいい。

グロンコウスキーはメイヨについて「現役だった頃、そういう要素が彼をよりよい選手へと成長させていた。フットボールフィールドでどこにいるべきかを知っていれば、もうプレーを決められる位置にいるってことになるから、より優れた選手になれる」とコメントしている。

グロンコウスキーの話だけでは足りないだろうか。それでは、 2011年シーズンにディフェンスでも少しプレーしたエデルマンの話を聞いてみよう。エデルマンはメイヨに確認して初めて、自分の役割に自信を持てたと振り返っており、次のように話した。

「いつもジェロッドに確認していた。自分が何をすべきかは分かっていたけれど、ジェロッドの承認を得るためにいつも彼に確認していたんだ。ジェロッドが言うことなら、それが正しいって分かってたからね」

元クオーターバック(QB)トム・ブレイディが去ってからのペイトリオッツには、方向性を失った船のようなところがあり、2020年から2023年の間にプレーオフに進出したのは一度だけで、昨シーズン終了後にはベリチック元HCとも別れた。ペイトリオッツはメイヨがチームの軌道を修正してくれることを望んでおり、グロンコウスキーの言葉を信じるなら、ペイトリオッツは賢明な判断を下したと言える。

「ジェロッド・メイヨはディフェンス側のトム・ブレイディだった」とグロンコウスキー。

メイヨがペイトリオッツを再び勝者に戻すかどうかは、これからのシーズンで明らかになるだろう。

【KO】

© NFLJapan.com