Bリーグが中期経営計画「感動立国」を発表、島田チェアマン「2028年までに入場者数700万人、事業規模800億円を目指す」

スポーツのリーグとしては異例の中期経営計画発表

6月27日、東京都内でB.LEAGUE中期経営計画発表会見が行われた。島田慎二チェアマンはB.LEAGUE 2050 VISION “感動立国”というキーワードを使い、2024〜2028年に向けての計画とビジョンを明かした。

会見は2016年のBリーグ立ち上げからの振り返りから始まり、当初の入場者数が220万人、事業規模が196億円程度だったものが、2023-24シーズンには入場者数が約450万人、事業規模が約580億円にまで成長したことが紹介(いずれもB1、B2合計。2026年からはB3も合併となる。B3の今季の入場者数は約60万人、事業規模は約50億円)。島田チェアマンは「8年間の中で競技面、事業面共に最大の成果を達成できた」と語った。

昨年発表されたとおり、Bリーグは2026年シーズンより、「B.革新」と銘打ってリーグ構造の大改革を実施する。これには、①戦力(事業力・競技力)の再編による均衡した戦いを提供するためのライセンス基準の引き上げ、②競技成績による昇降格を廃止し、ライセンス基準を満たすことで新B1入会の基準となるエクスパンション型リーグへの移行、③サラリーキャップ等、アグレッシブな制度設計という3大項目がある。また、リーグは「B.LEAGUE PREMIER」、「B.LEAGUE ONE」、「B.LEAGUE NEXT」の3部制に移行することが明らかにされた。

今回発表された中期経営計画は5年間のもので、「B.革新」までの2年と、その後の3年を対象としている。島田チェアマンは「近視眼的に今のイマジネーションで考えるものが未来永劫有効な打ち手になるかはわからない。もう少し先の未来を考えて、改革を打ち立てる」と語り、2050年にどうなっているのか、どうしたいのかをみんなで悩み考えたとし、「感動立国」というキーワードを紹介した。島田チェアマンは“感動立国”について「ワクワクし、心が震えるようなものが日本の明るい未来につながる」と語り、若い世代が未来に明るい希望を見出すためにも、強い気持ちで取り組む覚悟を表明した。

さらに、「No.1ライブスポーツエンタメ」、「世界で最も愛されているリーグ」、「街づくりの核」、「Dream Company, Dream job」という4つの要素でB.革新を成功に導き、顧客体験の高度化と多様化、育成システムの拡張・国際化にも力を入れることを紹介。最後に、2028年までに入場者数700万人、事業規模800億円、Bプレミア平均入場者数6,000人、B.ONE平均入場者数3,000人、47クラブ(全都道府県にクラブを設立)、さらに2030年までにBリーグからNBA選手を5人輩出するという目標数値を明らかにした。

その後、寺嶋良(広島)、島田チェアマン、岡田明(EYストラテジー・アンド・コンサルティング/公共・社会インフラセクター パートナー)による鼎談と質疑応答が行われた。リーグが中期経営計画を出すという珍しい例について質問が出ると、島田チェアマンは「どこもやらないからこそ差別化ができる。何より大事なのは皆さんに多大なるご支援をいただいていること。何をしようとしているのか、どこに向かっているのかを示さなければ、どのレベルで付き合うかもわからない。情報公開は責務だと考え、発表に至った」と語った。また、2050年には世界No.1を目指すという目標について「スタジアムのサイズや試合数だけでなく、視聴者数なども含めた総合的な認識でNo.1を目指す」と答えた。

「感動立国」特設サイト
https://www.bleague.jp/2050vision/

※この原稿は月刊バスケットボールWEB()に掲載されたものです

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