アジアのM&A助言手数料収入、11年ぶり低水準

Kane Wu

[香港 27日 ロイター] - 今年上半期のアジアにおけるM&A(合併・買収)助言業務の手数料収入は15億ドルにとどまり、2013年以来、11年ぶりの低水準だったことが、LSEGのデータで明らかになった。全体の40%を日本が占めた。

投資銀行は過去2年間、アジアで資本市場が停滞したため数百人の人員削減を実施しているが、さらに収入が圧迫されそうだ。

M&Aの額は発表ベースが前年比25%減の3175億ドルと、11年ぶりの低水準。完了ベースでは2530億ドルと、2009年以来の低水準となっており、素早く回復する兆しは乏しい。

バンク・オブ・アメリカのアジア太平洋M&A部門を率いるトム・バルシャ氏は「案件の平均的規模が小さくなったことが、今年に入ってからのM&A金額減少の主因だ。投資家は大規模で経営を大きく変えるようなM&Aよりも中規模の案件を優先している」と述べた。

アジア市場で昨年唯一、M&Aが増加した日本は今年上半期、円安を背景に発表ベースで610億ドルと23%減少した。中国も景気の減速や地政学的緊張の高まりで投資意欲が冷え込み、25%減の1080億ドルと2012年以来の水準に落ち込んだ。

一方、世界全体のM&Aは総額1兆5000億ドルと16%増加し、アジアの低迷ぶりと対照的な動きとなっている。

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