東根・若木山の山道で桜5本倒木 故意か、被害届検討

 東根市の若木山公園で27日朝、若木山(標高183メートル)の山道沿いに植えられた桜が計5本、根元から倒れているのが見つかった。管理する市は、故意に倒されるなどした可能性も視野に、器物損壊容疑で、村山署に被害届の提出を検討している。公園内では、桜以外の木の枝が折れているのも見つかっており、保全活動に取り組む団体の関係者は「いたずらにしては悪質だ」と憤っている。

 若木山公園保護管理審議会や市によると、若木山は麓の若木神社近くから頂上に向かって山道(延長約490メートル)が整備されており、同日午前6時半ごろ、散歩で通った男性から、木が倒れていると連絡があった。数十メートルほどの間隔の4カ所で、幹回り数十センチほどのまだ若い桜5本が根元から山道をふさぐようにして横たわっていた。公園は24時間入ることができ、倒れたのは26日から27日の朝にかけてとみられる。

 遊具が設置された麓の広場では、ドウタンの木3本の枝が折れているのが10日ほど前に見つかっていた。関連は不明だが、同審議会は倒れ方や折れ方を含め、現場の状況などから、いずれも人為的な損壊の可能性があるとみている。

 若木山は眺望が良く、周辺は地域住民らの散歩コースになっている。市は木の状態も確かめ、植え直しや撤去を検討する。同審議会は、桜などを生かした景観づくりに地域ぐるみで取り組んでおり、関係者は「残念としか言いようがない。誰かがやったのだとしたら、本当にやめてほしい」と訴えている。

若木山の山道沿いに植えられた桜の木が根元から倒れている現場=27日午前11時26分、東根市神町東4丁目

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