韓国フィギュア19歳の飲酒セクハラ騒動、相手男性は「ショックで練習困難」 食い違う主張に広がる混迷

フィギュアスケートのイ・ヘイン【写真:Getty Images】

イ・ヘインはセクハラを否定も…男子選手の代理人が現状を説明

フィギュアスケート女子で“キム・ヨナの後継者”と目されていた韓国の19歳イ・ヘインの飲酒・セクハラ騒動が、混迷の度を増している。連盟により資格停止3年の処分が下されたイ・ヘインは27日、本人のインスタグラムなどで飲酒については謝罪したものの、セクハラ行為については完全否定。一方の相手男性は、精神的ショックで練習できる状況になく、精神科の治療を受けていると弁護士を通じて主張。両者の言い分が食い違っている。

複数の韓国メディアによると、事件は5月15日から28日までイタリアで行われた代表合宿中に起きた。複数のフィギュアスケート女子韓国代表選手が宿舎で飲酒した事実が発覚。またある選手が後輩の男子選手に性的な不快感を与える行為をし、3年間の選手資格停止処分を受けたとされえている。

この処分を受けたのがイ・ヘインだと明らかになり、27日になって本人が自身のインスタグラムで謝罪。ただ飲酒については認めたものの、後輩へのセクハラについては否定した。2人は恋愛関係にあるが、以前両親に別れさせられた過去があるため、交際を隠していたとしている。

韓国紙「中央日報」によると、相手男性の法定代理人を務めるソン・ウォヌ弁護士は27日、文書を通じて「2選手が交際していたのは事実だが、イ・ヘイン選手が“キスマーク”を残したことでA選手(被害者)がとても驚いた。現在は精神的ショックで、練習するのが難しい状況にある」と説明した。

文書は2人が昨年7月から3か月ほど付き合って別れ、先月中旬にともにイタリア合宿へ参加したことや、事件の状況について「合宿中、A選手がイ・ヘイン選手の部屋を訪ねたとき、イ・ヘインがA選手に“キスマーク”について尋ねると、A選手が『よく分からないからやってみよう』と答えた」としている。

男性選手は精神科で治療中と説明

さらにイ・ヘインが「A選手の首にキスをしてキスマークを残した」とし「当時A選手は、キスマークが何なのかわからなかっただけでなく、首に跡がたくさん残ったのに慌て驚き、すぐに部屋を出た」と付け加えている。

合宿後、A選手は両親にこの事実を知らせ、イ・ヘインには別れを告げた。その後、6月中旬になってイ・ヘインがA選手に秘密交際を提案し、A選手がこれを受け入れ再び付き合い始めたことも明らかにした。

また、A選手がさらにショックを受けたのはこの後とされている。「イ・ヘイン選手がA選手に一つずつ合宿での状況を尋ね、この事件に関する事後的な証拠収集など、対処のため当時の状況について聞いていった」ことに「精神的に大きな衝撃を受けた」という。現在は練習が難しい状況で、精神科治療を始めており、精神科ではうつ病と不安感が非常に大きく、持続的な治療が望ましいという所見が出たとされている。

イ・ヘインは2023年の四大陸選手権で優勝、同年の世界選手権では銀メダルの有望株。3年の選手資格停止がそのまま実行されれば、2026年のミラノ・コルティナダンペッツオ五輪への出場は絶望となる。イ・ヘインの代理人は、懲戒を下した氷上競技連盟の上部団体に当たる大韓体育会の公定委員会に再審議を申請したとしており、行く末が注目される。

THE ANSWER編集部

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