統計調査員の確保困難 「国の責任」と丸山知事が指摘 調査のピント外れ「片手間になっていないか」

丸山達也島根県知事

 国勢調査など基幹統計の調査書類を配布、説明する「統計調査員」の確保が困難になっている現状について、島根県の丸山達也知事は28日の定例会見で「調査のピントが外れ、日本全体を示さない偏ったデータになりかねない。現状を心配しないといけないのは(国など)統計を実施する人たちだ」と批判した。

 調査員が調査した統計は、国や地方公共団体の施策の基礎資料になる。一方、戸別訪問するアナログ手法や報酬の低さに加え、防犯意識の高まりなどで警戒され、調査員の精神的負担が増しているという。

 丸山知事は、調査への協力を求める説明は調査員ではなく、国をはじめ調査主体の責任だとし「(国など調査主体は)何となく片手間の仕事になっていないか」と憤った。

 県が市町村に聞き取った調査によると、2030年の国勢調査では、14市町が「国が想定する配置基準では確保が困難」と回答している。県は他都道府県と連携し、マイナンバーの活用や完全オンライン化などの抜本的改革を国に求める。

© 山陰中央新報社