セガがサービス中のオンラインRPG「PSO2 ニュージェネシス」(以下、「NGS」)。2024年7月のアップデートで実装予定の新コンテンツ「ラインストライク」のインプレッションをお届けする。
新コンテンツ「ラインストライク」は、「NGS」内でNPCや他のプレイヤーとの1対1の対戦を楽しめるカードゲーム。収録されるカードは「PSO2」シリーズに登場してきた様々なキャラクターがモチーフとなっており、自由に15枚のカードを組み合わせてデッキを作成できる(1つのデッキに同種のカードを入れられるのは最大3枚まで)。
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ラインストライクをプレイできるのは各アークス拠点やクリエイティブスペースで、他のプレイヤーとの対戦だけではなく、様々なNPCとの対戦も用意されている。今回の試遊では試すことができなかったのだが、アークス拠点内では、周囲のプレイヤーとマッチングするレートバトル、アンレートバトルといった対戦形式も楽しめるようになっている。
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■ユニットの戦力値の合計を競い合い、先に2つ拠点を破壊したプレイヤーが勝利
ここからは、基本的なルールについて解説していこう。
ラインストライクでは、3つのライン上に存在する拠点を互いに攻撃しあい、先に2つの拠点を破壊した側のプレイヤーの勝利となる。
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各拠点は5点のライフをもっており、それぞれのライン上には最大3枚までのカードを配置することができる。敵味方のライン上に配置されたカードがもつ戦力値(ATK)の数値を合計して競い合い、総戦力値が高い側が配置されたカードの枚数に応じたダメージを相手の拠点に与えられる(配置されているカードが1枚なら1点、3枚なら3点のダメージ)。拠点のライフが0になると拠点は破壊される。
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それぞれのカードには、ATKの他にカードの属性とコスト、固有のスキルが設定されている。コストは召喚時に必要となるエネルギーのようなもので、ターンごとにそれぞれのプレイヤーに3ずつ補充される。使用しなかったコストはすべて以降のターンに持ち越すことができ、カードの中には4以上の召喚コストが設定されているものも多数あるので、召喚にはコストを残した状態でターンを終了するという選択が必要になる時もある。
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一方、「リライト召喚」と呼ばれる特殊な召喚法も存在している。
リライト召喚は、手札のカードと同じ属性のカードが場に出ている時、場のカードが手札のカードよりもコストが低ければ、その差分だけを支払うことでカードを上書きできるというシステムだ。このリライト召喚を利用することで、コストを抑えつつ高コストカードを場に出せる。
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リライト召喚の主なメリットは、上述した通り召喚時のコストを抑えられることだが、一度場に出したカードを後から変更できる貴重な手段の一つでもある。カード固有の「スキル」を使い終わったカードを入れ替えることで、別のスキルを発動できるというメリットもあるので、リライト召喚をいかにうまく使いこなすかは、対戦の勝敗に大きく影響することになりそうだった。
■カードごとの固有スキルを生かした戦略を考えるのが楽しい
上でも触れたが、カードにはそれぞれ固有のスキルが設定されており、異なる個性をもっている。スキルには、場に出した瞬間に効果を発揮する「支援効果」と「妨害効果」、場にで続けている限り永続的に効果が発揮される「パッシブ」の3つのタイプが存在している。
その効果は千差万別なのでここでは紹介しきれないが、とくに扱いやすく強力と感じたのが相手の拠点へのダメージを増加させたり、逆に拠点へのダメージを減少させるというパッシブスキル。
例えば雷属性の2コストユニットであるフーリエは「相手の拠点ダメージを一度だけ+1点する」というパッシブ効果をもっており、フーリエを含んだラインで相手の拠点にダメージを与えた場合、配置されたユニット数に+αのダメージを与えられる。もしフーリエ2枚を含む3枚のカードが場に出ている状態で拠点を攻撃した場合、無傷の拠点を1ターンの攻撃で一気に破壊までもっていくことも可能だ。
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一方の支援効果は、主に指定されたマスに配置されたカードの戦力値を強化する効果のバフ系スキル。
この時に面白いのが、支援効果は場に召喚した時に場に存在するカードにだけ適応され、あとから対象のマスにカードを召喚しても意味がないこと。そのため強力な支援効果をもつユニットは、できるだけ終盤に出してなるべく多くのカードを強化したくなるのだが、その頃にはすでに拠点が壊れた後で支援の意味がないマスが含まれてしまったり、そもそも強化をしなくても勝てる戦力差になっていたりと、温存しすぎて無駄に終わってしまうことも少なくない。
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かといって早く出しすぎても、支援を受けられる対象が少なすぎるとスキルの恩恵が薄かったりと、場に出すタイミングの判断がなかなか難しく、プレイヤーごとの個性が出そうな部分になっている。
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妨害効果には、相手の指定マスの戦力値をダウンさせる効果に加えて、指定したマスのカードをスタンさせ、そのターンの間だけ戦力値の計算から除外する効果なども存在する。ゲーム終盤に高コストユニットがスタンしてしまった場合、一気に総得点が逆転して拠点が破壊される場合も多いため、使いこなせればなかなかに強力な効果だと感じた。
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また支援・妨害効果の変わったタイプのスキルとして、味方や相手のカードを移動させる効果も存在する。
使いこなすのは難しいが、これがラインストライクならではのスキルとなっていて非常に面白い。基本的にどちらかの拠点が破壊された後は、そのライン上に配置したユニットは戦況にはほぼ影響を与えられなくなる。しかしこの効果を利用すれば、「相手の拠点を破壊し終えた高コストカードを、隣のラインに移動させて再度戦力として利用する」、いわば使い終わったカードの再活用のようなことが可能になる。
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逆に相手のカードを移動させる効果もあり、相手の高コストカードをすでに拠点が壊れた後のライン上に移動させてしまえば、その能力をほぼ封殺できる。相手の戦略を大幅に狂わせることができるだろう。
ただ、上でも述べた通りこの効果はやや上級者向けだ。移動できるカードのマスや移動先は、プレイヤーが選ぶのではなく個々のカードのスキル効果によって予め決まっているので、移動させたい地点にカードが配置されていなかったり、移動先の場所がすでに埋まっていると意味がなくなってしまう。移動系効果を使いたい場合は、デッキに入れているカードがどこのマスに効果を及ぼすのかしっかりと頭に入れた上でバトルしていく必要があるだろう。
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また、カードには火・水・雷・風・光・闇の6属性が存在しているが、光属性が拠点ダメージを減らす効果のカードが多い長期戦向け、闇属性はスタンによる相手のカードの妨害、風属性は敵味方のカード位置の移動といったように、属性ごとにスキル効果に一定の傾向がある。
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同じ属性で固めていた方が、リライト召喚可能な対象は増えるというメリットはあるものの、属性に縛られすぎる必要はそこまでなさそうだったのがプレイしての印象。まったくリライト召喚が使えないことになると厳しいかもしれないが、2~3属性のカードを組み合わせても十分機能するようになっているので、どの属性を軸にするにしても、デッキの自由度の幅はなかなか高そうだと感じた。
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なお今回の試遊では実際に試すことはできなかったのだが、ラインストライクに使えるカードは、専用のカードスクラッチで入手する形式だ。
現役プレイヤーにとって気になるのは、ラインストライクをプレイすることで得られる報酬ではないかと思うが、現状報酬として予定されているのは、このカードスクラッチに使える専用のチケットや、カードの裏地や対戦時の背景を変更するスリーブ、プレイマットといったラインストライクに関連したものに限られるとのこと。ラインストライクを遊ばないからといって、「NGS」のゲーム内本編が不利になるということはなさそうなので安心だ。
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今回プレイして感じたのは、カードゲーム初心者でもすぐ理解できるカジュアルで分かりやすいルールながら、しっかりとした戦略性や上級者向けのカードの効果もあったり、初心者から上級者まで楽しめる、想像していた以上に作り込まれたゲームだということ。
実際筆者は普段カードゲームをそこまで遊ぶ方ではないのだが、今回の限られた体験時間の中でもすぐにルールは理解できたし、使いこなすのが難しそうな風や闇属性のクセのあるカードをメインにしたデッキも、自然といろいろと試して組みたくなっていた。
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「NGS」に限った話ではなく、昨今のライブサービス型のゲームではメインのコンテンツとは別のサブゲームが用意されていることも珍しくないが、本作の場合、個々のカードの効果がモチーフとなっているNPCらしいものになっていたり、アナログのカードゲームで発売された「PSO2 TCG」のイラストが再利用され懐かしいキャラが多数再登場していたり、長い歴史をもつ「PSO2」シリーズだからこその魅力が詰まっている。
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「NGS」も3年目を迎えたタイミングに、ベテランから初心者までのプレイヤーが同じ目線で楽しめるコンテンツが追加されたことには大きな意義がある。アップデートによるカードの追加も予定されているそうなので、今後も継続して楽しめるコンテンツになりそうだ。
(C)SEGA