大阪から箱根への便利な行き方は? 最適解は「EX旅パック」だった!

新幹線+ホテル+箱根フリーパスがセットになって手間なし・便利!

東海道・山陽・九州新幹線を利用するなら欠かせない会員制ネット予約サービスの「エクスプレス予約」(EX予約)。
手持ちのクレジットカードと交通系ICカードだけですぐに利用できる気軽な「スマートEX」と共に、新幹線利用時のスタンダードとも言えるサービスです。実はこの「EX予約」と「スマートEX」、新幹線に乗った後の現地アクティビティや往復の新幹線を含めた宿泊ツアー商品も購入できちゃうってご存知でしたか?

実際にツアーを体験した鉄道写真家・村上悠太が、宿泊ツアー商品の購入方法からホテルや観光スポットでの過ごし方まで、写真たっぷりでレポートします!

大阪から箱根に行くには?

今回の旅先に選んだのは「箱根」。
この時期の箱根はちょうど紫陽花がピークで、小田原・箱根湯本から強羅にかけて山道を登りながら走る、「箱根登山鉄道」の沿線には色とりどりの紫陽花が車窓を飾ります。紫陽花は開花期間が長いだけでなく、強羅に向かうにつれて標高が上がっていくこともあり、場所によって開花時期が異なっているのも嬉しい点です。

大阪からは、まず新大阪駅まで行き、そこから東海道新幹線で小田原駅を目指します。
「のぞみ」に乗り、名古屋駅で「ひかり」もしくは「こだま」に乗り換えて行くこともできますが、乗り換えなしの「ひかり」がおすすめです。
料金(通常期)は指定席利用で
のぞみ(新大阪駅~名古屋駅)+ひかり or こだま(名古屋駅~小田原駅)=13,060円(乗車券7,700円 特別料金5,360円)
ひかり(新大阪駅~小田原駅)=12,850円(乗車券7,700円 特別料金5,150円)
です。

小田原駅からは箱根登山鉄道で箱根湯本駅へ向かいましょう。
箱根登山バスで行くこともできます。

大阪駅から箱根湯本駅まで、およそ3時間で到着です。

「EX旅パック」で予約してみた


「EX旅パック」にはEX予約のメリットを活かしたパックツアーが満載

使い慣れている「エクスプレス予約」で列車のきっぷを押さえ、ホテルは別に手配するのがいつもの手順でしたが、この旅で使ってみたのが「EX旅パック」。通常のEX予約Webサイトから利用できるサービスで、日にちや地域、行きたい旅のテーマを選択することだけで、希望にあったツアーを提案してくれます。単に新幹線とホテルがついているだけでなく、現地で使用できるフリーパスや様々な特典がついたツアーが多いのが特徴です。


「EX旅パック」→「EXこだわりツアー」とアクセス。EX予約・スマートEXのアカウントがあれば共用できるのも利点

箱根エリアにも多くの商品が設定されていますが、その中でも今回購入したのは「箱根に行くならコレ!<フリーパス2日券付き>箱根1泊プラン」。2024年7月19日出発までの期間限定で、東海道新幹線静岡〜新大阪の各駅、山陽新幹線岡山〜博多発で小田原駅(復路は三島も選択可)までの新幹線指定席と箱根エリアの様々な交通機関が利用できる、「箱根フリーパス2日間」、そしてハイクラスな宿泊施設がセットになった期間限定のスペシャルプランです。

東海道新幹線小田原駅は最速達列車の「のぞみ」は停車しませんが、一部の「ひかり」が停車し、列車によっては名古屋の次が小田原と、速達性の高い列車もあります。
出発地や時間帯によっては「のぞみ」と「こだま」を乗り継いでいくルートも提案してくれますが、都合がつけば乗り換えが不要な「ひかり」を利用するのが早くて便利。「EX旅パック」の大きな特徴として、商品によって若干ルールが異なるものの、乗車当日でも列車の時間や座席位置を変更できる点です。
通常、ツアー商品だと乗る列車も座席位置も一度決めてしまうと変更できないものが多い中、そこはさすがEXサービス。旅の自由度が高いのはとってもありがたいポイントです。
なお、ダイナミックプライシングを採用しているため、列車の時間帯によっては追加料金が必要なほか、予約列車の出発後や改札通過後の列車変更できません。

手配はばっちり! いざ箱根へ

新大阪駅から「ひかり」に乗り込み、旅が始まります。


新幹線乗車時はいつものEX予約と全く同じ

「ひかり」は列車ごとに停車駅が異なるので、停車駅が少ないものを選びたい


進行方向右手に相模湾が見えてきたら小田原はすぐそこ

小田原駅に到着したら、まず「小田急旅行センター小田原」で「箱根フリーパス」を引き換えます。
「EX旅パック」の長所として、新幹線の乗車や「箱根フリーパス」の引き換え、ホテルへのチェックインなど様々なシーンで、これまでのツアー商品にありがちな事前の書類受け取りや携行が不要。全てオンラインでのやり取りやQRコードの読み込みで引き換え可能と手持ちのスマートフォンで完結できちゃうんです!


「旅行センター」は小田急線の改札前

主に11番線から発車する「各駅停車」で箱根湯本へ

「箱根フリーパス」は箱根登山鉄道(小田原〜強羅)や、箱根登山ケーブルカー、箱根ロープウェイ、箱根海賊船、一部のバスなど、箱根を周遊する様々な交通手段が乗り降り自由。
箱根湯本駅からはひとまわり小さな登山電車に乗り換えて、いよいよ箱根山を登っていきます。

「箱根登山鉄道」は、国内トップクラスの急勾配を登っていく電車。箱根山の四季折々の風景を窓に映しながら、急坂や急カーブを繰り返し、車両の進行方向を前後に切り替えながら山を登っていく「スイッチバック」を織り交ぜながら、ぐんぐんと標高を上げていきます。


窓の大きな「アレグラ号」

「EX旅パック」で選んだホテルは…

ホテルの最寄駅である宮ノ下駅で下車し、ここから徒歩約7分のところにある、「あのホテル」に向かいましょう。

1878年創業、箱根のクラシックホテル「富士屋ホテル」は、数多くの宿泊施設がある箱根の中でもやはり憧れの存在。創業以来、海外の要人やVIPたちに愛された伝統と歴史があるホテルですが、なんと今回のプランでも選択可能! なお、他にも湯本・小涌谷・強羅エリアなどにも一度は泊まってみたいハイクラスな宿泊施設がラインナップされており、正直ホテル選びにすごく悩みました…!


箱根を代表するクラシックホテル「富士屋ホテル」。写真の本館は明治24年竣工で登録有形文化財に指定


ゲストを出迎えてくれるフロント・レセプション

クラシックホテル特有の和洋折衷のインテリアを持つサンパーラーからは箱根の山々が望める

今回のお部屋はフォレスト・ウイングの「ツインガーデンサイド」。窓の外には富士屋ホテルの敷地が広がり、駅から徒歩で来たことを忘れてしまうような、伝統と風格の中に佇むことができます。「富士屋ホテル」は2020年に約2年間にわたる耐震・改修工事が行われ、その際にフォレスト・ウイングの最上階6階に「スパ」がオープンしました。


本パックで宿泊できる「ツインガーデンサイド」

部屋から眺望は富士屋ホテルならでは


フォレスト・ウィングへの通路は天井が高く、敷地内の庭園が見える


2020年にオープンした「スパ」 サウナと半露天スペースもある(写真提供:富士屋ホテル)

プランには夕朝食も含まれており、富士屋ホテルでは夕食はメインディッシュを3つの中から選択できる、レストラン「カスケード」でいただく“クラシックディナー”を、朝食は洋食か和食が選択できます。朝食については洋朝食を選択すると、富士屋ホテルのメインダイニングルーム「ザ・フジヤ」でいただくことができるので、ぜひ選択の参考にしてみてください。


“クラシックディナー”メインの1種「国産牛ロース肉のポワレ マディラ酒のソース」。日本ワインのラインナップも揃う

格天井構造で格子内には日本アルプスの草花が描かれている「ザ・フジヤ」。朝食はこちらで

翌日はまず「cu-mo箱根」へ


赤・青の車両が行き交う「箱根ケーブルカー」

最上の宿泊を楽しんだ翌日は、再び箱根フリーパスで旅を続けましょう。
「富士屋ホテル」を後にし、宮ノ下駅から強羅へ向かい、さらにここから先は箱根登山ケーブルカーで早雲山駅を目指します。
早雲山駅は2020年にリニューアルを実施。駅の2Fには足湯に浸かりながら景色を楽しめる癒しスポット、「cu-mo箱根」があります。開放感あるテラスからは箱根外輪山や、強羅の街並みを眺望できるほか、直営ショップでは温泉水を使ったドリンクや雑貨など、オリジナリティあふれるグッズが販売されています。

その中でも一際目を引くのがこちらの「ニューベル」。早雲山の空に浮かぶ雲をそのままカップに乗せたようなこちらのドリンク。雲はわたあめで、ドリンクの部分はバナナ、りんごなどを使用したフルーツスムージーになっています。


テラスゾーンに足湯も備える「cu-mo箱根」

「ニューベル」は750円

「箱根ロープウェイ」に「黒たまご」も外せない

早雲山から先は箱根ロープウェイで、大涌谷を目指します。
大涌谷到着前には地上から約130mの谷を越える区間を通過し、眼下にはかつて「地獄谷」とも呼ばれていた荒涼としたワイルドな山肌と立ち込める噴煙を望むことができます。天候に恵まれれば、富士山も目の前にその姿を表す、絶景ロープウェイなのです!


大涌谷付近を行く「箱根ロープウェイ」

運がよければ床の一部が窓になっている「グラスハッチゴンドラ」がくるかも

そして大涌谷といえば、名物黒たまご!「一つ食べると寿命が7年延びる」と言われている黒たまごは、地熱と火山ガスの化学反応により黒い殻となったゆでたまご。ほんのり香る温泉のかおりがアクセントです。実はこの黒たまご、温泉池で約60分茹でたあと、15分ほど約100度の蒸気で蒸して仕上げられる、大変手間と時間のかかった逸品なのです。


大涌谷黒たまご館の黒たまごは4個500円。全部食べれば28年寿命が延びる!?

「箱根海賊船」を楽しむもよし、三島方面へ向かうもよし

箱根ロープウェイ大涌谷駅は、箱根登山鉄道、箱根登山ケーブルカー、箱根ロープウェイの中で最も標高の高い駅。
ここで折り返して湯本方面に戻ってもよし、さらにロープウェイで桃源台へ向かえば、芦ノ湖が目の前に。芦ノ湖には「箱根海賊船」が就航しており、湖上を行きながら箱根町港、元箱根港へ向かうことも可能です。
さらに、両港から東海バスへと乗り継げば東海道新幹線三島駅に抜けることも可能で、行きとは異なるルートで新幹線駅に戻ることができ、このルートもかなりおすすめです。もちろん、このルートでも全て「箱根フリーパス」が使用できます。


遊覧だけでなく移動手段としても大活躍の「箱根海賊船」

クイーン芦ノ湖は水戸岡鋭治氏がデザイン

行き先と旅のテーマだけ決まっていれば、あとは旅の行程を提案してくれる「EX旅パック」。「EXサービス」ならではの自由度と旅行パックのお手軽&お得感がある、まさにいいとこ取りの商品でした。今回ご紹介した「箱根に行くならコレ!<フリーパス2日券付き>箱根1泊プラン」は2024年7月19日出発までの期間限定販売なので旅立ちはお早めに!


「EX旅パック」詳しくはこちら

  • ※本取材はJR東海主催のプレスツアーに参加して製作しています
  • ※プライバシー保護の観点から一部画像に処理を行っています

著者紹介

村上悠太

1987年鉄道発祥の地新橋生まれ、JRと同い年の鉄道写真家。
交通新聞社刊『鉄道ダイヤ情報』では「ユータアニキ」としてあらゆる現場で鉄道を支える「鉄道HERO」たちの取材を続ける。元々旅好きから写真を始めたので、乗り物に乗って旅をしながら写真を撮るのが大好き。

X:https://x.com/yuta_murakami
Instagram:https://www.instagram.com/yuta_murakami/

  • ※取材・撮影・文=村上悠太
  • ※掲載されているデータは2024年6月現在のものです。

© 株式会社交通新聞社