サンデーチケットに関する独占禁止法違反訴訟でNFLに7,732億円の支払い命令

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ロサンゼルスの陪審団は現地27日(木)、NFLが日曜日午後に行われ、地域外では放送されない試合をプレミアム配信サービスで配信したことは独占禁止法に違反するとの判決を下し、約48億ドル(約7,731億8,640万円)の損害賠償を支払うよう命じた。

陪審団は居住者団に47億ドル(約7,568億9,975万円)、商業者団に9,600万ドル(約154億6,008万円)の損害賠償を認めた。連邦独占禁止法の下では、損害賠償額が3倍になる可能性があるため、NFLは最大で143億9,000万ドル(約2兆3,171億5,694万円)の責任を負うことになる可能性がある。

NFLはカリフォルニア州中央地区のアメリカ連邦地方裁判所で下された今回の判決を不服として控訴すると主張。その控訴は第9巡回控訴裁判所に提出された後、場合によっては最高裁判所まで進む可能性がある。

リーグは声明で次のように述べた。

「NFLサンデーチケット集団訴訟における今日の陪審の判決に失望している。参加チームの市場内ではすべてのNFLの試合を無料の地上波テレビで放送し、最も人気のある試合を全米に配信するというわれわれのメディア配信戦略が、多くの追加オプションである“Redzone(レッドゾーン)”、“Sunday Ticket(サンデーチケット)”、“NFL+”などで補完されていることで、スポーツとエンターテイメント全体で最もファンに優しい配信モデルであると信じ続けている」

「今回の集団訴訟の主張には根拠がなく、まったく無意味であると考えているため、われわれはこの判決には断固として異議を唱える。陪審員のみなさまがかけてくれた時間と労力、そして裁判中の(フィリップ)グティエレス判事の指導と監督に感謝する」

今回の訴訟は2011年シーズンから2022年シーズンにかけて『DirecTV(ディレクTV)』で放送地域外の試合を見るためのゲームパッケージを購入した、アメリカ国内の住宅契約者240万人と企業48,000社を対象としている。この訴訟の主張は、リーグが日曜日の試合のパッケージを高値で販売し、独占禁止法に違反したというものだ。また、加入者側はリーグがサンデーチケットを衛星プロバイダーのみで提供することで競争を制限したとも訴えている。

NFLが損害賠償を支払うことになれば、32チームがそれぞれ約4億4,960万ドル(約723億4,670万円)を負担することになるかもしれない。

裁判は3週間続き、NFLコミッショナーのロジャー・グッデルと、ダラス・カウボーイズのオーナーであるジェリー・ジョーンズが証言台に立っている。

原告側の弁護士であるビル・カーモディは「正義はなされた。今回の判決はわれわれの原告団に属する消費者の保護を支持するものだ。消費者にとって素晴らしい日となった」とコメント。

男性5名、女性3名で構成された陪審団は、判決に至るまで5時間近く審議した。

フィリップ・S・グティエレス判事は7月31日(水)に公判後の申し立てを審理する予定だ。これには、判事が原告側の主張が立証できなかったと判断したため、リーグに有利な判決を下すよう求めるNFLの要求も含まれている。


記事提供:『The Associated Press(AP通信)』


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