至近距離でノック、けが 元野球部員が県など提訴

県立和歌山商業高校の野球部コーチから2016年、至近距離でノックをされてボールが頭部に当たり重傷を負ったとして、元部員の20代男性と両親が県と当時のコーチに計およそ4600万円の損害賠償や慰謝料の支払いを求め提訴したことがきょう(28日)、分かりました。

きょう(28日)和歌山地裁で開かれた第1回口頭弁論で、県とコーチは請求棄却を求め争う姿勢を示しました。

訴状によりますと、2016年3月31日の練習中、男性がノックで捕球できなかったとして、コーチが本来の守備位置より前に来るよう指示。

男性がまた捕球できず倒れ込み立ち上がる途中、フルスイングでノックを浴びせられ、ボールが左側頭部に直撃し、頭骨骨折や脳挫傷などの重傷を負い、外傷性てんかんの後遺障害もあって現在も通院を続けているということです。

原告側は県やコーチが生徒の生命身体の安全に配慮する義務を怠ったと主張し、事故後の学校側や県教育委員会の説明が遅いなど対応も適切でなかったとしています。

原告側代理人の足立聖子(あだち・せいこ)弁護士は閉廷後「原告が重傷を負い後遺障害があることは事実で責任を認めてほしい。事故に至った経緯を裁判の中で明確にしたい」と話しました。

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