「恐怖…秒速4~5mの濁流」キャンプ中に川が増水 20代男女5人が中州に取り残される 消防が救助の一部始終語る

大雨となった6月23日、長野県駒ヶ根市で、増水した川の中州に20代の男女5人が取り残され、消防に救助された。消防がNBSの取材に応じ、隊員も恐怖を感じる現場だったと振り返り、改めて注意を呼びかけた。

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秒速で4~5m以上…岩がゴロゴロ

茶色く濁った川の水。その奥の中州に、青いテントが張られている。岸には、ライフジャケットを身に着けた消防隊員の姿。

23日、駒ヶ根市の中田切川で、中州に取り残された20代の男女5人の救助に向かう様子。

5人はその後、無事に救助された。

上伊那広域消防本部特別救助隊・小松健人隊員:
「秒速で4~5m以上の茶色く濁ったような川が流れていて、中でも小さい岩がゴロゴロ流れているような音がしていたと隊員も恐怖を感じているような状況」

偶然、助かった

警察によると、22日夜10時ごろ、5人は歩いて川を渡り、中州でバーベキューをしていたが、23日朝7時前、川が増水していることに気づき、救助を要請したという。消防が駆け付けた時には、腰の高さまで増水していたと言う。

上伊那広域消防本部特別救助隊・小松健人隊員:
「ロープを対岸から対岸まで渡して、そこを隊員が行き来して、要救助者を救出する方法をとりました。(5人は)恐怖心もあったと思うが、雨に濡れていたので寒さを訴えている状況。たまたまキャンプを行っていた場所が少し高いところであったため、そこまで水が達することなく、偶然助かることができたのかな」

過去には神奈川で13人死亡する事故

川を管理する国土交通省の出張所によると、中州でのキャンプは禁止されてはいないが、「急な増水などもあり、キャンプに向いている場所ではない」ということだ。

1999年には、神奈川県の玄倉川で、中州でキャンプをしていたグループが大雨による増水で流され、子どもを含む13人が死亡する事故も起きている。

雨の予報…川に近づかないで

先週、梅雨入りし、これから雨の日が増える季節。消防の小松隊員も雨の予報が出ているときは川に近づかないようにするなど心がけてほしいとしている。

上伊那広域消防本部特別救助隊・小松健人隊員:
「自分たちがいるところよりも上流で雨が降った場合、川の濁りが発生することもある。川が濁ったり、川の温度が下がってきたら、上流の方で雨が降っているサイン。そういう時にはすぐに中止して、川の変化に気をつけていただきたい」

(長野放送)

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