大学生の娘が店長から「学生ならシフトたくさん入ってね」と言われているらしい…。いくら以上稼いだら「扶養」を外れますか?

扶養内でいるには年収103万円以下が重要

大学生が親の扶養内で働く場合は「年収103万円」を基準にしましょう。

国税庁「タックスアンサー(よくある税の質問)No.1180扶養控除」によると、扶養親族に該当する人の範囲について、「年間の合計所得金額が48万円以下であること(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)」とされています。

この金額を超えると親が受けている扶養控除がなくなってしまったり、社会保険料を自分で負担したりといったデメリットがあります。

1ヶ月あたりでは8万5000円がライン

学生が扶養内で働く場合、基準となる年収は103万円です。1ヶ月に換算すると、おおよそ8万5000円となります。大学生への場合、授業時間や課題、テスト、研究などでアルバイトができる時間や期間に差があるものの、バイト代を1ヶ月あたり8万5000円に抑えることを前提にアルバイトのシフト申請を行いましょう。

交通費や通勤手当は含まれない

1ヶ月あたりのバイト代8万5000円のなかにはバイト先から支給される交通費や通勤手当などは含まれないようです。そのため、手当を除いたものから103万円を算出していきましょう。

時給ごとに8万5000円をシミュレーション

ここからは、何時間程度の勤務で月8万5000円になるのかを時給ごとに計算していきます。なお、バイト先によっては土日のみ時給がアップするといったケースもあるため注意が必要です。

時給1100円の場合

時給1100円の場合は、おおよそ77時間働くと8万4700円になります。この時間内に収めると8万5000円以内で働けるでしょう。77時間の場合、週に19時間程度(ひと月4週と仮定した場合)となるため、平日に毎日入るのであれば、3時間から4時間程度が目安となります。

時給1200円の場合

時給1200円の場合は70時間程度の勤務で8万4000円になります。70時間働くのであれば、週に17時間程度の勤務になるため、平日は3時間程度の勤務が目安となるでしょう。

時給1500円の場合

時給1500円の場合、56時間程度の勤務で8万4000円となります。56時間になると働ける時間は、1週間あたり14時間と短めになります。土日に7時間勤務すると、平日は働けないでしょう。

店側からバイトに入ってほしいとお願いされても、時給が高い仕事の場合、入れる日数が制限されるでしょう。

シフトに入ってほしいと言われた場合の対処法

ここからは「もっとシフトに入ってほしい」と言われた場合の適切な対処法を紹介します。アルバイト先も貴重な人材を欲しているため、丁寧に伝えることを心がけましょう。

扶養を超える旨を詳しく伝える

扶養ギリギリで働いている場合は「これ以上働くと扶養を超えてしまう」と具体的な時間や金額とともに伝えましょう。シフト管理を行う店舗責任者が労働時間を適切に管理できていない可能性があります。「現在扶養ギリギリで働いているので、これ以上は難しいです」と伝えるのがいいでしょう。

毎月8万5000円と事前に伝える

働き始めて間もない場合は、あらかじめ毎月8万5000円以内のシフトに収めてほしいと伝えましょう。これから面接を受ける予定があれば、面接時に伝えることが大切です。

多くのアルバイト先は「学生は扶養の範囲内に収めるべき」との認識を持っています。しかし、実際に働くうちに、認識にずれが生じたり忘れたりしてしまうこともあるかもしれません。履歴書に記載することに加え、面接時に口頭で伝えることで、扶養を超えるシフトを組まれたり、要請されたりする事態を回避できるでしょう。

アルバイトは扶養内で稼ごう

保護者の扶養を外れると、社会保険料の支払いが発生し、せっかく稼いでも保険料で手取りが減ってしまう可能性があります。それだけでなく、扶養をはずれると親の扶養控除額が減ってしまうというデメリットもあります。

学業を最優先するためにも、学生時代のアルバイトは扶養範囲内にとどめることをおすすめします。無理のないシフトを組み、アルバイトを通して社会勉強を行いましょう。

出典

国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)No.1180扶養控除

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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