鈴木みのり、『アニポケ』主人公のバトンを受け取って1年 “リコ”と過ごした日々は「充実しているって胸を張って言える」<インタビュー>

『アニポケ』鈴木みのりが演じるリコ (C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon

2023年4月から新シリーズの放送がスタートしたテレビアニメ『ポケットモンスター』(テレビ東京系/毎週金曜18時55分)。今年の4月から開幕した新章「テラスタルデビュー」編では、「テラスタル」を修得するため、オレンジアカデミーに留学することになったリコたちの姿が描かれる。そんな本作で主人公の1人、リコを演じる鈴木みのりにインタビュー。25年を超える歴史を持つテレビアニメ『ポケットモンスター』シリーズで主人公を演じて1年が経つ今の気持ちや、同じく主人公のロイを演じる寺崎裕香との仲良しエピソード、そして新章で相対するパルデア地方・四天王 チリとのバトルについて語ってもらった。(取材・文=河内香奈子)

■『アニポケ』専用ボックスから生まれる会話

――2023年の4月にテレビアニメ『ポケットモンスター』(アニポケ)の放送が始まりました。 約1年が経ちましたが振り返ってみていかがですか?

本当に毎週の収録が濃くて、多分、走馬灯で「あの時が私の1番楽しい時期だったな」って浮かぶだろうなと思えるくらいステキな時間を過ごしています。いきなりこんな話ですみません…!

――(笑)。それだけ思い入れのある時間を過ごされているんですね。

はい! 前のシリーズから出演されているキャストさんはもちろん、今回一緒に1歩を踏み出すことになったキャストさんもいて、いろいろな年代の方がいる中で、役者としてすごく大切なことを学ばせていただいています。毎週のようにできなくて悔しい、成長できてうれしいの連続で、まさにリコと一緒に1歩1歩進んでいるような感覚だし、 毎日がリコのおかげで充実しているって胸を張って言えるような1年ですね。

――当初はプレッシャーもあったとお聞きしました。

『ポケモン』シリーズのような誰もが知っている作品への出演や主人公を演じることは、「役者としていつかはかなえたい」と思っていただけにすごくプレッシャーがありました。『ポケモン』は小さな頃から当たり前に日常に溶け込んでいる存在。それに自分が関わることは今でも不思議な感覚で、「一生に一度の大きなイベントはここなんだ」って思いましたね。

ただ、オーディションの時から「私は絶対にリコと運命の出会いをしているはずだ!」と、ビビっときていたので、リコ役には謎の自信がありました(笑)。

――おお! そんなリコと過ごした1年はとても充実していたのではないでしょうか。

いい意味でこの1年は長く感じました。現場の雰囲気がとっても温かくて、皆さんともう何年も一緒にいるような気持ちになりますし、リコたち自身の冒険が盛りだくさんだからこそ、ずっと前から共に歩いているような気がしています。アフレコ自体は週に1回、放送も週1回ですけど、その1日だけではなく、365日ずっとアニポケのことを考えていますね。

――この1年間でリコはもちろん、ロイやドット、フリード博士などさまざまな仲間と出会います。収録現場で印象に残っているエピソードはありますか?

ロイ役の寺崎(裕香)さんとは本当にずっと一緒にいます(笑)。 それこそ私のデビュー作で寺崎さんとご一緒していて、その作品が終わってからも自分がたまたま見に行った舞台に寺崎さんが出ていて連絡したりとか、ご縁はずっとつながっていました。

そんな関係性があったからこそ、『ポケモン』でリコとロイとして一緒に出られることが決まった時、寺崎さんから「みのりちゃんだったら絶対大丈夫って思った!」って言っていただいて、私も「寺崎さんが相方ならもう何も怖くないや!」って思えたんです。今は何かあるたびに連絡したり、お子さんと遊んだり、旦那さん含めてご飯に行ったり…実は姪っ子さんとお父さまにも会ったことがあって、あとはお母さまとお姉さまだけなんです(笑)。

――それはすごい(笑)。大人になってそこまで深く仲良くなれるのは珍しいです。

本当に! あまりにも一緒にいるからか、だんだん髪型とか着る服まで似てきて、現場で間違われることもあるんです(笑)。

あと、『アニポケ』の現場ならではのお菓子ボックスがあるのも発見でした。収録が長丁場になることも多々ありまして、そんな時に食べられるようにと、皆さんが持ち寄ったお菓子をボックスに入れているんです。そのボックスは、ポケモン柄の大きな箱なのですが、多分『アニポケ』の放送が始まった当初からあるんじゃないかなってくらい年季の入ったもので…! ほかの作品も収録するスタジオなのに、『アニポケ』専用としてずっと棚の上に置いてあって、それを早く来た人が出して、箱を開けて、お菓子を並べて、食べながらコミュニケーションを取る…っていうのが『アニポケ』流の風習なんです。

――お菓子をきっかけにコミュニケーションが生まれているんですね。

すごくコミュニケーションが活発な現場だと思います。特に長年、ポケモンに関わっている大谷育江さんと林原めぐみさんのお2人は、「分からないことがあったら聞いてね」って、とても気を使ってくださって。 そのおかげで、きっかけが生まれて、先輩・後輩のコミュニケーションが生まれています。あとキャスト同士だけじゃなく、お2人がスタッフさんの人生相談に乗っていたり…熟練の空気で流石だなと思いました…!

――そんな先輩たちから学んだことはありますか?

もう学ぶことばかりです! 年代やキャリアとか関係なしに、『アニポケ』に関わっているキャストさんたちって、 声優としての技術がすごい上に人間性も素晴らしい方ばかり。誰に対してもすごく丁寧に、場の空気を読んで接してくださるのですが、それもお芝居がステキになる要素の一つだと思いました。そんな皆さんの姿を見て、もっとリコとしての視野を広げて、気配りをしっかりできる人間力のある人になりたいなと思います。

■リコvsチリの収録後は「大爆睡しました(笑)」

――6月28日(金)放送の第56話「リコVSチリ!バトルの先に」では、 リコと四天王 チリとのバトルが描かれます。リコとニャローテがまた1歩深く成長するシーンだと思うのですが、演じていていかがでしたか?

もし自分がリコと同じ場所に立っていたら、とてつもない緊張感だろうし、でも絶対に負けたくないって思います。今回は改めてポケモンバトルのすごみを感じました。

今までリコとして何度もバトルを経験してきましたが、より強くなりたいって思いと、これまでの冒険で少し強くなった経験値と、そこに私自身の芝居の力を合わせていかなきゃいけないっていうところがすごく大変で。現場では「お腹に熱を感じて!」「もっともっと地に足つけて!」といったディレクションがあり、演じた後はすごく疲れて、家に帰ってすぐ大爆睡しました(笑)。それくらい熱意の高い収録でした。

――リコの感情的な一面に驚きもありました。これまでの冒険を通して、大人しかったリコが成長したり、バトルに興味を抱いたり、さまざまな面を見せてくれましたが、今回はより新たな一面が見えたのじゃないかと。

私もどんどん自分が想像しきれなかったリコが出てきているなと感じます。キリッとした表情だったり、絶対に負けたくないって思ったり、今までにないリコの姿がたくさんありますよね。でも「リコってこういう子だよね!」って決めているのは私自身。いつだって想像を超えてくれるリコに追いつけるように頑張ります!

――最後に今後の見どころを教えてください!

『アニポケ』は、皆さんの想像以上にキャラクターや作品に愛を持って毎週挑んでいます。ぜひ細かな言葉のニュアンスまで感じ取っていただけたらうれしいです。そして今回の「テラスタルデビュー」編は「バトルっていいな」と思える、四天王との格好いいバトルシーンがたくさん出てくるので、 ぜひ画面の前でリコ、ロイ、ドットを応援してください!

テレビアニメ『ポケットモンスター』は、テレ東系にて毎週金曜よる6時55分から放送中。

※一部地域では放送日時が異なる

※放送内容は変更になる場合がある

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