【なぜ】夏の風物詩花火大会が各地で中止に追い込まれる…原因は“燃えかす”近隣住民から苦情が

まもなく本格的なシーズンを迎える、夏の風物詩“花火大会”。

しかし、今各地で花火大会が中止となる事態が起きているといいます。
いったい、なぜなのでしょうか。

関東三大七夕祭りに数えられる埼玉県の「狭山市入間川七夕まつり」で行われる予定だった納涼花火大会。
2023年は、5000発の花火が打ち上がるなど多くの人を魅了していましたが、2024年は中止になりました。

実行委員会事務局によると、花火大会について、周辺の住民から打ち上げた後の燃えかすについて厳しい意見が続出しているという。「燃えかすが住宅に降りかかることになり、安全確保ができないため、ことしは花火大会を見送る」と話す。

“花火の燃えかす”のために花火大会を中止せざるを得ないそうで、市には、これまで30件ほど燃えかすなどについての意見が寄せられているといいます。

そして、実際に花火の燃えかすが原因で中止になった徳島県の花火大会。
花火のあと、500円玉大の燃えかすがいくつも降ってきたというのです。
近隣住民の車やソーラーパネルに飛び散り、汚れてしまったということです。

今回、燃えかすが原因で中止が決まった埼玉県の花火大会の現場を取材しました。

打ち上げ場所の近くには、住宅や小学校が確認できます。

狭山市民からは、「狭山市の一大イベントなので、ずっと見て育ってきました。すごくショックです」「(昔)打ち上げ会場の下の小学校みたいなところで見てたんですけど、結構かすがすごくて。住宅街まで飛んでいっているのは知らなかった。このタイミングでないとなるとちょっと悲しいかな」といった声がありました。

さらに、花火大会の中止を検討している祭りが千葉県にもありました。

9月28日、29日に開催される「ふなばし市民まつり」の花火大会です。

例年、8万人もの人出でにぎわい人気ですが、中止が検討されている理由は、やはり花火の燃えかすでした。

花火の打ち上げ会場にはたくさんのボートが止まっており、2023年は、会場近くに係留していたボート7艇が花火の燃えかすで損傷しました。

主催者はボートの修理費約1200万円を補償しましたが、こうした事案を受けて、2024年は開催するかどうか、議論が続いています。

地元の人に昔から愛される花火大会が中止になる可能性があることについて、船橋市の人からは、「花火きれいだけど、迷惑かかかるところがあるのは悲しい」「近くで見ると髪の毛に落ちてきたり、芝にも燃えかすがある。掃除の方が徹底してくれれば」といった声がありました。

中止の原因である燃えかすの対策について、花火師の人にも話を聞いたところ、「各地自体で決められた打ち上げ場所から観客までの一定の保安距離があるが、燃えかすは風の強さや向きによって飛んでしまうことがある」と話していました。

完全に燃えかすを防ぐことが難しい中、2024年の夏の風物詩の行方が注目されています。

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