クマ被害受け 対策協議で群馬県と安中市が意見交換

先月、安中市の住宅に野生のクマが侵入し、この家に住む夫婦が重傷を負った被害を受け、群馬県と安中市は意見交換会を開き、今後の対策を協議しました。

先月31日、安中市松井田町の住宅にクマ1頭が侵入し、この家に住む70代の夫婦が相次いで襲われ、いずれも重傷を負う被害がありました。

被害発生を受け、県と安中市は今後の対策を協議するため、環境や農林の担当職員による意見交換会を開きました。

はじめに、岩井市長が「県と市が連携を取りながら対策をおこない人身被害が出ないようにしていきたい」とあいさつしました。今月3日、岩井市長は山本知事に被害を防ぐ対策を強化するよう緊急要望書を提出しました。

一方県は、今回の事故原因についてはクマが生息する地域の自宅で電気柵の防除をせずに養蜂をおこなっていたことをあげ、「適切な対応により回避できる可能性が高い」とする調査報告書を発表しています。

28日はこれまでの調査を踏まえ、被害対策につなげるための改善点などについて意見が交わされました。県によりますと、利用されなくなった果物の木「放任果樹」が野生動物を引き寄せる一因となっているとし、果樹の管理方法について議論されたほか、農林業被害に向けた対策についても意見が出たということです。

県内の山地にはツキノワグマが生息し、2020年度の時点でその数は約2000頭と推定されています。県は、クマが出没した時間や場所をリアルタイムで確認することができる「クマ出没マップ」を今月17日からインターネット上で公開し、注意を呼びかけています。

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