障がい者自立支援給付費を不正受給 金武町の社会福祉法人、約7000万円を返還請求へ 沖縄

金武町役場

 【金武】障害者自立支援給付費を不正に受給したとして、金武町が町内でグループホームや就労支援施設を運営する社会福祉法人に対し、給付金6952万3832円の返還を求めることが27日までに分かった。県や同法人によると、施設利用者の住む自治体が給付費の一部を負担しているため、金武町を含めた県内9市町村との間で給付費の返還に向けた調整が進んでいる。

 県や町によると、同法人は県から認可されていないグループホームを運営し、不正に標準報酬を受け取っていた。認可されている別のグループホームでも夜間の人員を配置していないにもかかわらず、配置されているとして加算報酬を請求するなど、複数の違反が確認された。

 同給付費は国が50%、県25%、市町村25%の割合で負担している。内部告発を受けた県は2022年9月に実地指導を2回行い、県の指導内容を基に、町が18年4月から22年4月までの金額を算定した。町は国や県分も含めて返還金を請求する。

 町は町議会6月定例会に提出する補正予算案に返還金を盛り込んでいたが、27日の町議会全員協議会で協議した結果、返還金を除いた補正予算案への差し替えを含めた対応を検討することになった。同協議会は町議全員による調査特別委員会を今後、立ち上げることも確認した。

 同法人の常任理事は不正受給した給付費の使途について「職員の給与や施設の建設費などに使っていた。現時点で私的流用は確認されていない」と説明。「法律に対する認識が甘く、もっと行政と相談すればよかった。今後各市町村と協議しながら必ず返還する」と話した。同法人は問題を受け、理事長らの給与を全額カットするなどの対応を取った。

 (武井悠)

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