未来へのメガトンパンチ!!『メガトン級ムサシ』から『メガトン級ムサシW』へ―人類の逆襲劇はいかに「完結」するのか?【ネタバレあり】

未来へのメガトンパンチ!!『メガトン級ムサシ』から『メガトン級ムサシW』へ―人類の逆襲劇はいかに「完結」するのか?【ネタバレあり】

2016年に行われたレベルファイブの新作発表会「LEVEL5 VISION 2016 -NEW HEROES-」。ここで初めて発表されたのが『メガトン級ムサシ』(以下、『ムサシ』)。本作は「古き良き熱血ロボットもの+学園ドラマ」というコンセプトを持ち、同社の展開するクロスメディアプロジェクトの第5弾タイトルとして2017年夏に展開予定だと報じられました。

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『メガトン級ムサシ』(2021)

しかしその後、本作はプラットフォーム・発売時期未定のまま長い沈黙を守ることとなります。それから5年後となる2021年11月、『メガトン級ムサシ』はついにその沈黙を破りニンテンドースイッチとPS4でリリースされました。

そこからさらに2年半を経た今年、『メガトン級ムサシW(ワイアード)』(以下、『ムサシW』)が2024年4月25日にニンテンドースイッチ/PS4/PS5/PC(Steam)で世界同時リリースされました。

『メガトン級ムサシW』(2024)

本作は『ムサシ』の次回作として昨年配信された基本無料タイトル『メガトン級ムサシX(クロス)』(以下、『ムサシX』)に続く「ムサシ」シリーズの第3作。続編と言っても『ムサシX』までのストーリーやミッションが全て含まれた、いわばシリーズのコンプリート版といえる内容となっており、本作だけでもこれまでのストーリーを十分に楽しむことができます。

なお現在本作は6月28日~7月12日までの期間、『UFOロボ グレンダイザー』の参戦を記念した50%OFFセールをニンテンドースイッチ版/PC(Steam)版にて実施中。PS4/PS5版のセールに関しては、決定次第詳細を発表するとのことです。

『メガトン級ムサシX』(2022)

公式サイトでは本作でのストーリーの「完結」が示されており、同時並行して展開されたアニメ版も含めた、足掛け2年半に渡る「メガトン級ムサシ」シリーズのストーリーがどのように着地するのか気になる方も多いのではないしょうか。

本稿では、初代『ムサシ』『ムサシX』そして『ムサシW』と通してプレイしてきた筆者が、「メガトン級ムサシ」シリーズの変遷を辿りつつ『ムサシW』単体がどのようなゲームになっているのかを解説、そして本作の「完結」がどのようなものであったかを記します。

なお、続編というゲームの性質上ストーリーのネタバレとなる項目も含まれますが、記事前半部は公式サイトにある以上の詳述は避け、後半部に「ネタバレあり」の項目を設けます。「どんなゲームなのか気になるけれどネタバレは知りたくない」という人は「ネタバレあり」の表記がある部分まで読んでみてください。

巨大ロボット×逆襲×ハクスラ『メガトン級ムサシ』とは

『メガトン級ムサシ』は巨大人型ロボット「ローグ」をプレイヤーが操り、人類の存亡を懸けた戦いに挑む3Dロボットアクションをメインに据えたRPGです。異星人「ドラクター」によって滅亡寸前の地球を舞台に、主人公・一大寺大和ら高校生の少年少女らを中心とした人類の逆襲ストーリーが始まります。

左から浅海輝・一大寺大和・土方龍吾 この3人がメガトン級ローグ『ムサシ』のパイロットとなる

ゲームの根幹はローグのパーツを組み替えてカスタマイズし、強化した機体で高難度ミッションに挑んでレアなパーツを収集する、といったサイクルを持つ、いわゆる「ハックアンドスラッシュ(ハクスラ)」的な要素が中心です。

マルチプレイにも対応し、複数回ミッションをプレイして敵を狩り、成長を目指すというなかなか骨太な作りとなっています。そのほかにもミッションとは切り離されたPvPモード「コロシアムバトル」では3対3のバトルを楽しむことができます。

カスタマイズはボディ、ライトアーム、レフトアーム、レッグの4つのパーツの組み換えをメインに、遠距離武器と近距離武器を組み合わせたビルドを行います。さらに機体内部のマザーボードの形状に合わせてCPUやメモリを組み込んでスキルを付与するといった、自作PC製作を思わせるパズル的な強化要素も特徴です。また、機体の光沢表現の調整やデカールの貼り付けのほか、塗料アイテムを手に入れればカラー変更も可能になり、プラモデル的な楽しみ方もできます。

前作からどう変わった?『メガトン級ムサシW』の追加要素

前作『ムサシX』から『ムサシW』で追加・変更された部分は新ストーリーのみならず難易度調整や新システム、クロスプレイなど多岐にわたります。そのなかからピックアップして以下に紹介します。

新ストーリーの追加

『ムサシX』とアニメ版『メガトン級ムサシ』からつながる新たなストーリーが追加されました。こちらについてはネタバレありの項目にて後述します。

メガトンインパクト

敵にダメージを与えていくとゲージが上昇、満タンになると自動で発動する新システム。メガトンインパクト中は周囲の時間がスローになり、与えるダメージが増大します。また戦闘中には一定時間メガトンインパクトの発動ゲージを大きく溜められる「メガトンチャンス」が発生することがあります。こちらも積極的に活用することで強敵を素早く撃破し、ミッションスコアのアップに伴うレアパーツのゲットを狙えます。

PC版リリースとクロスプレイ・クロスセーブ対応

前作『ムサシX』までは日本国内のPS4/PS5/ニンテンドースイッチとコンシューマーでシリーズが展開されてきましたが、本作ではそれに加えてPC(Steam)でもリリースされ、グローバル展開がされています。これらは全機種相互にクロスプレイが可能で、Epic Gamesアカウントとの連携により別機種間でのクロスセーブに対応しています。またグローバル化にともない多言語対応(日本語、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、繁体字、簡体字)となり、プラットフォームが増えたこととあわせて前作以上にマルチプレイ環境が拡充されました。

「コン・バトラーV」「ボルテスV」とのコラボレーション

『ムサシX』でも「マジンガーZ」「ゲッターロボ」「UFOロボ グレンダイザー」といった往年のロボット作品とコラボレーションを行ってきましたが、本作からは「超電磁ロボ コン・バトラーV」「超電磁マシーン ボルテスV」がローグとして参戦。大和たちローグパイロットのボイス付きで、「超電磁スピン」や「天空剣 Vの字斬り」といった原作同様の必殺技を放ちます。

なお、プレイしてみて筆者が真っ先に体感できたのは難易度の調整です。基本無料タイトルだった『ムサシX』に比べて本作の難易度は遊びやすいレベルまで落とされています。前作では通常難易度であってもボスに苦戦し、ミッション失敗になることもしばしばありました。筆者は本作のストーリーミッションをクリアまでプレイしましたが、最後までミッションを失敗することはありませんでした。

バトルだけのゲームではない!『ムサシ』はストーリーと日常描写も面白い

これまでに挙げてきたようなハクスラ、カスタマイズといったゲームシステム面は本作の大きな魅力でもありますが、一方で『メガトン級ムサシ』は一作のロボットアニメとしてみても面白く、またストーリーやキャラクター描写にも注力したゲームでもあります。

ドラクター(民族自称「シドル」)の姫であるアーシェム・ライア。大和と出会い地球人との共存を考え始める。うどんが好き

ロボットアクションとしては地球人類による異星人への逆襲をテーマにしつつ、ストーリーの主軸は地球人と異星人の融和。ドラクターの殲滅に積極的だった大和と、ローグパイロットの暗殺を企てていた異星人の姫・アーシェムが出会い、やがてお互いにとっての異星人に対する「敵」という認識を改めていく……というものとなっています。

発表時に設定されていたコンセプトやムサシの外見的にも、本作が70年代日本のスーパーロボットアニメを意識していることは一目瞭然。とはいえ本作をプレイしていくとそれ以外にも数多くのロボットアニメのエッセンスを感じ取れる場面も多く、そうした作品が好きな人にこそおすすめできるゲームとなっています。

本作の舞台は地殻をドーナツ状にくり抜かれ、人間の住めない荒野となった地球。ここで繰り広げられる戦闘パートが激しいアクションゲームになっている一方、主人公の大和たちが暮らす町「赤城町」の日常は平和そのものです。

プレイ中は鳥のさえずりや虫の声、街路の音といった日常音が流れ、この町が閑静な郊外であることがゲーム内でも表現されています。ここでは大和たちの日常や学園生活がサブストーリーなどを通して描かれており、赤城町はハードな世界設定を体現する戦闘パートと対比される日常パートとなっています。

大和たちの通う「星刻学園」 入室できる場所も多く、この学園を舞台としたサブイベントも

危機的状況の地球に対して一見不釣り合いなこの町には隠された真相があります。実は赤城町は滅亡した世界に生き残った人類を収容したシェルター「イクシア」に作られた人造都市。人々は地球が滅亡した絶望の記憶を意図的に忘却し、21世紀の日本の郊外を再現した環境のなかで穏やかな日常を生きているのです。

伊伏銀太 普段は工事現場で働いているが、実はダイバー級ローグ(ムサシより小型のローグ)部隊の隊長

このシェルターはそんな真実を知る組織「オブリビオンベイ」の人々によって管理、守護されていることがストーリーの冒頭で明かされます。大和も記憶を忘れて暮らす一般人のひとりでしたが、オブリビオンベイから戦闘適性を見込まれた結果、家族がドラクターの襲撃の犠牲となった記憶を取り戻し、メガトン級ローグ「ムサシ」のパイロットとしてドラクターと戦うこととなりました。

イクシアの秘密基地「オブリビオンベイ」。一部の人々は普段の生活とは別の顔を持つ。

とはいえ大和には、持ち前の負けん気と奇抜な発想で戦闘そのものをゲームのように楽しむ「戦闘狂」的な気質があるため、悲壮感はあまり漂いません。

もともと大和とは悪友の関係でちょっとビビりな人情派番長・土方龍吾、オブリビオンベイのメンバーとして活動し大和たちをパイロットにスカウトしたクールな頭脳派・浅海輝。3人揃ってムサシを動かすパイロットとなった彼らの掛け合いは、時に熱く、時に笑える、いいトリオになっています。

左はパイロットとなる早乙女萌々香、霧島ジュン 犬猿の仲だが馬が合うことも。右は大和の幼馴染でイクシアのオペレーターとなる西野清夏

さらにストーリーの進行に合わせて大和たちに続いて新たなパイロットたちが登場。メインストーリー中で彼らのシリアスな面や葛藤を描きつつ、サブストーリーではコミカルな面を見ることができます。

雨宮零士 星刻学園への転校生。端正な顔立ちだが独特の思考・行動が目立つ不思議キャラ。いつもネコがそばにいる

このように大和やオブリビオンベイのメンバーは、平和な町の裏側で人知れず戦っています。同時に彼らは町に暮らすひとりの人間としての顔も併せ持っており、一方が仮初めなのではなく、そのどちらの面も本当の自分となってます。本作は群像劇としての面白さも備え、パイロットなどのメインキャラクター以外の人物に関しても、サブイベントなどでその人柄が描かれています。

学校でいじめ被害を受けている芥川康太には大きな秘密が。右はオタク趣味を持つスゴ腕メカニック金田一巧

町の造形や構成は2Dでアニメ調の絵柄となっており、小道具まで細かく書き込まれています。決して広大なマップではありませんが、商店街の店や部屋などストーリーに直接関係のない場所にも入ることができ、細かいエリア分けがされているのでそれほど狭さを感じません。

また、町中には話しかけられるNPCが相当数いますが、彼らはみなフルボイスとなっています。キャラクターによってはうっすらとした関係性が垣間見え、ゲームの進行に合わせてそれぞれの発言内容も変化していきます。このように人々の生活が描かれる日常パートは、間違いなく戦闘に匹敵する『ムサシ』の魅力だと筆者は考えます。

イクシアのメインオペレーター・天堂初音(中央)は食堂「天堂屋」の店主でもあり、日々、赤城町の住民の胃袋を満たしている

なお、アニメ版『メガトン級ムサシ』は各種配信サイトのほか、YouTube上の公式LEVEL 5chやバンダイ公式チャンネルでは全話を無期限で視聴できます。ゲームをプレイしながら、あるいはプレイする前に視聴し、「ムサシ」のストーリーやキャラクターに触れてみるのもいいかもしれません。

『メガトン級ムサシ』、その系譜

当初、『メガトン級ムサシ』はパッケージとDLのフルプライスタイトルとしてリリースされましたが、その後大型アップデートにより『メガトン級ムサシ 改』となる……という長期的なロードマップが発表されていました。

結果としてこのアップデートは『メガトン級ムサシ 改』ではなく、『ムサシ』本編とアップデートの要素を含んだ基本無料タイトル『メガトン級ムサシX』として新生。2022年12月16日、当初のアップデート予定にもあったPvPを導入、運営型ゲームの要素も取り入れつつ単体作品として配信されました。そして今回の『メガトン級ムサシW』は、DL専用タイトルとして再びフルプライスで配信された形となります。

上記のようにあまり例のない特殊な展開をしてきた「ムサシ」シリーズですが、筆者がこのシリーズをプレイする一番の動機は並行して放映・配信されたアニメを含め「このストーリーを見届けたい!」という思いからでした。そのため「完結」が示された本作をプレイすることは必然です。それでははたして本作はどのような結末を迎えたのでしょうか?

ここからは「ネタバレあり」で記述していきます。

怒涛の展開に地球が大ピンチ!そして……

結論から言うとこの記事執筆時点(6月初旬)で『メガトン級ムサシW』のストーリーは完結していません。これは一体どういうことなのでしょうか。

まず、本作が『ムサシX』の続きとしてどのくらいストーリーを追加したかその分量を説明します。以下は公式サイトに記載されている各「ムサシ」シリーズでどこまでストーリーがプレイできるのかを示した表です。

『メガトン級ムサシW』公式サイト TOPICS 「『メガトン級ムサシW(ワイアード)』への 引き継ぎに関するご案内」のページをキャプチャして引用

すべての「ムサシ」シリーズは1章からプレイ可能で、『メガトン級ムサシ』では第11章まで、『ムサシX』では23章まで、そして『ムサシW』ではそれ以降(説明文では「完結まで」)…となっています。

筆者は『ムサシW』のストーリミッションを最後までプレイしてエンドロールを見たのですが、それは25章の後でした。つまり『ムサシX』と本作の違いは、ストーリー面で言えば2章ぶんのストーリーの追加(本編ストーリー全5ミッション+コラボ機体参戦ミッション)ということになります。

このボリュームを多いと取るか少ないと取るかは、どのタイミングで『ムサシ』に触れたかによると思います。たとえば本作から入ったプレイヤーにとっては一作のゲームとして満足できるボリュームを持っていると捉えられるでしょう。

地球人とシドルの混血である浅海未来は何らかの特殊な力を帯び、1年で16歳相当まで成長した

逆に筆者のように初代『ムサシ』からのプレイヤーであればボリューム不足に感じられると思いますし、本来フルプライスタイトルだったとはいえ『ムサシX』を基本無料で楽しんだプレイヤーからしてもDLCとして見た場合やや割高に感じられるかもしれません。なおストーリー部分のプレイ時間は全体で40~50時間、『W』の追加ストーリーで6時間でクリアできる程度のボリューム感です。

ムサシデルタは地球復興用に建造された非戦闘型メガトン級ローグ

本作では輝の娘である浅海未来と、彼女の駆る新たなムサシ「ムサシデルタ」が登場し、あたかも新主人公的な立ち位置にあります。前作まではドラクターとの戦いと共存を中心にしたストーリーでしたが、今作冒頭では地球環境荒廃によって発生した「瘴気発生源」を取り除き、地球を復興させるという新たな戦いが始まります。

瘴気発生源はこれまでの敵とは違う外見をしており、新たなムサシの登場もあってプレイヤーに新章の幕開けを予感させます。一方、この瘴気発生源が登場するミッションは最初の1ミッションのみとなっており、せっかくの新キャラクターや新エネミーが少々勿体無い扱いとなってしまっています。

そしてここから矢継ぎ早に展開がなされ、クライマックスへとなだれ込んでいきます。地球人類とシドル(ドラクターの自称)が融和しつつある一方で、前作終盤に登場した人知を超える神のような存在「銀河帝国エルゼド」の侵攻、地球に封じられていた謎の勢力「カムウ」の覚醒、次元獣「アニマス」の出現、地球のリセットを目論むカルト宗教団体「創世記教団」の暗躍……と多種多様な勢力が乱立、事態は混迷を極めていきます。

しかし、本作ではそのすべてが解決をみることはなく、エルゼドの司令官・アダムがムサシをもとに創り出した「ムサシワイアード」を大和たちが倒すことで一応の決着となり、エンディングを迎えます。

本当にここで終わりなのか?

大和たちの行く末について語るエピローグの後、エンドロールが流れます。シドルの女王となったヒロイン・アーシェムはどのような力を継承したのか、エルゼドを退けるために大和が賭けた浅海未来の「未来を変える能力」とは何なのか、そして先述の乱立した勢力たちはどうなるのか。展開の早さとスケールの大きさは「ムサシ」シリーズの常でしたが、あまりにも様々な謎を残したままの状態。「完結」と思っていたこともあり、筆者は不安混じりに「本当にここで終わりなのだろうか?」とエンドロールを注視していました。

やがてエンドロールが終わると、そこには「To Be Continued」の文字。

筆者はこの文字列を見てつい笑ってしまい、「やられた!」と思いました。この感覚にはおぼえがあります。初代『メガトン級ムサシ』を初めてクリアした際にも同様の気持ちになったのです。いまでこそ『メガトン級ムサシ』は『ムサシX』『ムサシW』と続くシリーズになりましたが、当初はストーリーが完結しない、いわゆる「クリフハンガー」手法前提の作品だとアナウンスされていませんでした。そしてまさか2年半前と同様の手法によって驚かされることになるとは露ほども思いませんでした。

公式サイトで「完結」という表記のあった『ムサシW』でしたが、この結末は少なくとも筆者にとっては完結であるとは思えません。初代『ムサシ』でもリリースから間隔を空けてアップデートが発表されたように、本作でも追加ストーリーが配信される可能性はあります。ただ、リリースから1カ月以上経過した記事執筆時点(6月初旬)ではメーカーから公式な発表はないため、ストーリー追加の有無は現状明言できません。筆者は「To Be Continued」を見てつい笑ってしまいましたが、これを完結だと捉えれば、中には困惑や憤りを覚えるプレイヤーもいるのかもしれません。

エンドロールが終わると、タイトル画面などを経由せず日常パートの戦艦イクシオンのブリッジに戻され、ゲームは続きます。ストーリーの目的表示には「来るべき戦いに備えよう」という文字。これは初代『ムサシ』のエンディング後に表示されていたものと同様です。これが単に現状進めるべきストーリーミッションが無くなった時の汎用的な表示なのか、あるいは字義通りに「来るべき戦い」があると捉えてよいものなのか……いずれにせよ、それは今後発表があるかどうかを待つほかありません。開催時期が今年4月から夏に延期されたイベント「LEVEL5 VISION 2024 TO THE WORLD’S CHILDREN」で何らかのサプライズがあることを期待したいところです。

最後に海外メディアThe Gamerによる、レベルファイブ代表取締役社長/CEO 日野晃博氏への『ムサシW』に関する取材の一文を引用します。

While the storyline is being marketed as “complete”, he tells us the team “definitely have plans to continue the game and the story in the future”.(ストーリーラインは「完結」として宣伝されているが、彼はチームには「今後もゲームとストーリーを継続する計画が間違いなくある」と語る。)

この回答だけでは『ムサシW』の中でストーリーが完結するかまでは不明ですが、どうやら『ムサシ』はまだ終わりではなさそうです。現時点での本作は確かに「To Be Continued」という結末を迎えています。しかし「The End」ではありません。これまで熱心に『ムサシ』を追いかけてきたプレイヤーであればこそ、最後に示された「To Be Continued」という文字列は強く響くものとなっています。

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※UPDATE(6/29):記事中の浅海輝の所属組織の記載にミスがあったため修正いたしました(誤:ブルーコート→正:オブリビオンベイ)。

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