今年「出生数0」になるかも…不安広がる会津の自治体 未婚、晩婚、そして経済的な不安…一方で注目を集める「からむし織姫」【福島県】

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県内でも深刻な少子化の問題についてです。会津地方では今年度、子どもが一人も生まれない「出生数0」になる可能性がある自治体も出ています。自治体も様々な対策を講じていますが、はたして少子化に歯止めをかけることはできるのでしょうか。

1年間に生まれた赤ちゃんの数を示す「出生数」。厚生労働省によりますと去年の福島県の出生数は「9千19人」で、10年連続で過去最少を更新しています。こうした中、会津地方の自治体では…。

■北塩原村保健福祉課 田澤 薫さん

「今現在、母子健康手帳が0の状態で8月までに妊娠届け出がなければ今年度は『出生0』になるので心配です」

人口2300人ほどの北塩原村ですが、去年7月から母子手帳の申請はなく、今年度子どもが一人も生まれない「出生数0」の可能性があるといいます。

■北塩原村保健福祉課 田澤 薫さん

「未婚化や晩婚化が進んでいると思う。あとは経済的な不安、さまざまな要因が関係していると思う」

村は、出産祝金の贈呈に加え、妊産婦の医療費無料化など新たな支援にも乗り出しています。ただ、村の財源だけではこうした支援にも限界があるといいます。

■北塩原村保健福祉課 田澤 薫さん

「村は独自の財源でさまざまな事業を行っているがこれを継続するためには子どもを希望するすべての方を対象に国の方で財政支援をしていただけると助かる」

一方、特色ある移住支援策を進めた結果、少子化対策につながっている自治体もあります。

■からむし織姫8期生 五十嵐 麻裕子さん(札幌市出身)

「景色ももちろんですけど風景とか自然とか村の人たちの温かいところとかそういうところにひかれてこのままずっといてもいいかなと思って」

人口1千100人ほどの昭和村では、およそ30年前から村で生活しながら伝統の「からむし織」を体験する事業を進めていて、これまでに全国各地から130人を超える体験生を受け入れてきました。今から23年前に体験生として札幌市から村を訪れた五十嵐麻裕子さん。その後、村で出会い、結婚し、今は5人の子どもがいます。

■からむし織姫8期生 五十嵐 麻裕子さん(札幌市出身)

「子ども生まれてすぐのときも 隣の家の人が来て抱っこしながら見ててくれたりとか本当に子育てで困ったことがなくて」

自治体も様々な対策を講じる中、はたして少子化に歯止めをかけることはできるのか。地域づくりに詳しい福島大学の岩崎由美子教授は、県や国が少子化対策の大きなビジョンを示すことが重要と話します。

■福島大学 行政政策学類 岩崎 由美子教授

「そういう動き(出生数0)はこれからドミノ倒し的に増えてくるのではないかと、このまま何もしなければ」「どういった取り組みをたとえば県はどういう風に支援していくのか⑤、あるいはもっと大きく国として本格的な少子化対策どうやってこれからやっていくのという見通しを示してもらうことが大事になってくると思う」

今回、出生数0の可能性があると紹介した北塩原村などでも今後、転入などで出生数が増える可能性があるということですが、年々、少子化の問題が深刻になっていることを実感しますね。市町村の取り組みはもちろん、県や国などとも連携した少子化対策が今後も求められそうです。

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