「負ける確率の方が高いと思っていた」下田市の松木市長 約800票差で再選した市長選を振り返る=静岡

「負ける確率の方が高い」静岡県下田市の松木正一郎市長(63)は6月28日、市役所で定例会見に臨み、元県副知事の新人候補との接戦を制した23日の下田市長選挙について、落選を覚悟していたことを明かしました。

今回の選挙には、伊豆半島担当副知事や特別補佐官など、静岡県の要職を務めた土屋優行氏(69)が立候補。2024年2月の出馬表明以来、市内を歩き回り、地元の声を集める選挙活動をしていました。松木氏は約800票差で土屋氏を振り切り、2度目の当選を果たした市長選を振り返りました。

<松木正一郎市長>
「元副知事という能力も知名度もある方が、非常に強力な布陣で、かつたくさんの支援団体、支援者が脇を固めていましたので、圧倒的な力の差というか、態勢の差を感じていました。正直に言うと、負ける確率の方が高いと思っていました」

選挙戦が始まった当初、この心境を支持者に伝えると「負けるという言葉は、今後一切使うな」と止められたそうです。土屋氏が続ける地道な選挙活動にも、相当なプレッシャーを感じていました。

<松木正一郎市長>
「伊豆急下田駅前で毎朝、黄色の服を着た支援者の方々が手を振ったりしている。かなりの人数でいらっしゃったので、あれを通勤途中で毎日見ていて、ものすごく心理的に怖かった」

自らの支援者に頑張る姿を見せながらも、精神的には揺れるところがあったということです。土屋氏と協力して、東京オリンピック・パラリンピックの静岡県開催を実現した橋本聖子参院議員(59)が6月16日、下田市を訪れ、土屋氏の応援演説をしたことにも触れました。

<松木正一郎市長>
「橋本聖子さんがいらっしゃると聞いて、私も見に行きたかった(笑)立派な方ですので、お話をニュースで知りまして、ああ立派なことをおっしゃるなと思いました。その翌日に私の幼なじみが松崎町からやってきて、最初に支援者の人に『橋本聖子じゃなくてすみません』と断って、結構ウケていました」

選挙戦で見せなかった笑顔が、定例会見であふれていました。

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