ブガッティの新たなハイパースポーツカー「トゥールビヨン」が登場。V16エンジン+3モーターで1800psを発生!

2024年6月21日、ブガッティは新型ハイパースポーツカー「トゥールビヨン(Tourbillon)」を発表した。 に3モーターを組み合わせたハイブリッド車で、システム総合出力は1800ps!に達するという。

その名は、高級腕時計のメカニズムに由来する

ボディ外寸などは未発表だが、ヴェイロンやシロンと大差ないのではと思われる。ボディサイドのCラインやデュアルカラースプリットは継承されている。

2004年に新世代(第3世代)に生まれ変わったブガッティは、 や といった最高出力1000psを超えるハイパースポーツカーを創出してきた。これらのパワーユニットは、8LのクワッドターボW16エンジンだった。それから20年、ブガッティはまったく新しいパワートレーンとプラットフォームによるハイパースポーツカー「トゥールビヨン(Tourbillon)」を送り出してきた。

ヴェイロンやシロンという車名は、過去の伝説的なブガッティ レーシングドライバーをオマージュして名づけられたが、この「トゥールビヨン」という車名はフランス語で「渦」を意味し、18世紀の天才時計技師ルイ・ブレゲが作り出した腕時計の構造に由来している。ブレゲが作り出した腕時計と同様、けっして古くならないデザインとエンジニアリング技術によって何世代にもわたって家宝になるような、そんな永遠のクルマとしてトゥールビヨンは設計された。

エクステリアではヴェイロンやシロンと同様、馬蹄形のフロントグリル、ボディサイドのCライン、ボディ中央の尾根、そしてデュアルカラースプリットという4つのブガッティ デザインの要素は踏襲しつつ進化されている。

デザインとプロポーションは美しく、400km/h以上で走行する際の巨大な空気抵抗、後述するパワートレーンの発する熱などをバランスするために、ボディの表面やエアインテークなどの形状は慎重に設計されている。可動式のリアウイングも備わり、これは減速時にはエアブレーキとしても作動する。

リアまわりのデザインは、シロンからかなり進化している。フロントからリアまで、ボディ中央の「尾根」も継承されている。

超高級なインテリアに1800psのパワートレーン

「100年後でも色褪せない時代を超越したインテリア」とブガッティは謳う。シンメトリーが美しい。

最近のクルマでは、ほとんどのモデルがインテリアにデジタルモニターやタッチスクリーンを多用するが、ブガッティは100年後でも色褪せない時代を超越したインテリアを目指した。腕時計のトゥールビヨンのように、インストルメントクラスターは600以上の部品で構成され、チタンやサファイア、ルビーなども採用されている。しかも、このクラスターはステアリングホイールのスポークの前に備わり、ステアリングホイールを切っても表示が遮られることはない。

センターコンソールはクリスタルガラスのアルミニウムで形成され、そこにエンジンスタートのプルレバーなどが備わる。必要に応じて、センターコンソールの上部からタッチスクリーンが展開する。

パワートレーンはコスワースの協力で設計された新開発の8.3L 自然吸気V16エンジンに、リアアクスルに1基の電気モーター、フロントにも2基の電気モーターを取り付けたeアクスルと組み合わされたハイブリッドシステムだ。エンジンから1000ps、モーターから800ps、システム総合の最高出力は1800psに達する。しかも、最先端の技術と軽量素材の採用により、エンジンの重さはわずか252kgだ。フル充電状態なら、モーターだけで60km以上の走行が可能だ。

シャシは次世代カーボンコンポジット材を採用し、シロンよりも大幅に軽く硬い構造となっている。鍛造アルミニウムによるマルチリンク サスペンションの重量もシロンより45%も軽い。バイワイヤシステムのブレーキには、カーボンセラミックも採用されている。タイヤはオーダーメイドされたミシュランのパイロットカップスポーツ2で、フロントに285/35R20、リアに345/30R21を履く。

ブガッティの新たなハイパースポーツカー、トゥールビヨンは2026年からのデリバリーを目指して、現在プロトタイプのテストが進められている。生産台数は250台で、車両価格は380万ユーロ(約6億5000万円!)からとなっている。

最高速度は400km/hを超えるはず。しかもフル充電なら、モーターだけで60km以上の走行が可能だ。

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