パリオリンピックの競技の1つで幅広い年代に人気のスポーツクライミング。
この競技で高知県勢初の日本一に輝いた高知市の高校生に、その実力を見せてもらいました。
そびえる壁に力と技で挑むスポーツクライミング。幅広い年代に人気で、競技人口は60万人といわれています。
高知市南川添にあるクライミングジム「ストーンラブ」にある角度90度以上のそり立つ壁をいとも簡単にのぼるのは高知追手前高校3年生・和田樹怜さんです。
さらに傾斜のきつい160度の壁も難なくクリア。上へ上へと向かいます。まるでスパイダーマンのようです。
和田さん「どこに足を置けばうまく登れるか、つねにルートを頭で計算しながら登るのがコツ」
和田さんは5月に岩手県で行われたスポーツクライミングのボルダーユース日本選手権男子ジュニアの部に出場。
高さ約5メートルの壁の複数のコースを時間内にいくつ登れるかを競うボルダー種目で、高校生27人の中から見事優勝を果たして県勢初の日本一に輝きました。
こちらのジムには、高さ4メートルほどの傾斜の異なる壁があります。
壁には手や足をかける「ホールド」が埋められていて、ホールドをたどるルートを変えることで難易度が変わってきます。
スポーツクライミングでは手足の長い選手が有利とされていますが和田さんは身長161センチ。小柄な分、人一倍努力を重ねてきました。
和田さん「小さい時から体が小さくて、リーチを言い訳にしないと決め、筋力トレーニングを頑張ってたらいま結果につながってきた」
フィジカルの強さが自慢だという和田さん。指2本で懸垂を軽々とこなします。
ジムに通う後輩たちにとっても和田さんはあこがれの的です。
和田さんがスポーツクライミングを始めたのは小学5年生の時。もともと木登りが大好きですぐに競技に夢中になりました。
父親の教雅さんは和田さんと一緒に競技を始めてフィジカルを支え、母親の芙巳さんは食事やメンタル面をサポートしてきました。
父・教雅さん「筋力がすごく、すばやく移動できたり力強くタッチできるのが強み」
母・芙巳さん「勝ち負けじゃなく、とにかく楽しんでやっているから続けられている。心からクライミングが好きなのが強み」
両親のサポートも和田さんの強さの秘訣です。
和田さん「小さい分筋トレをよくするので、実は体重増えやすいのが大変。なので普段母の作ってくれる鶏ハムを食べ、ベスト体重をキープしている。感謝している」
和田さんは8月に中国で行われるユース世界選手権の日本代表入りが濃厚に。
スポーツクライミングの期待の星、和田樹怜さん。
持ち前の最後まであきらめない粘り強さを武器に「上へ上へ」と高みを目指します。