実写版『るろ剣』アクション監督が監修した高速アクションの気持ちいいリズムと緊張感が止まらない『Phantom Blade Zero』試遊レポ

実写版『るろ剣』アクション監督が監修した高速アクションの気持ちいいリズムと緊張感が止まらない『Phantom Blade Zero』試遊レポ

Summer Game Fest 2024でショーの最後を飾った中国のゲームスタジオS-GAMEが開発している『Phantom Blade Zero』のデモ版を試遊してきたので、当記事ではゲームの概要と実際にプレイした感想をお届けします。

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『Phantom Blade Zero』はソウルライクに軽快な攻撃アクションを加えた作品で、対応プラットフォームはPS5とPCとなっています。今回はPC版をコントローラーでプレイしました。

カンフーとスチームパンクが合体!アクションは谷垣氏が監修

本作は、あらゆる力が集まった”Phantom World”という世界が舞台。主人公”Soul”は”The Order”と呼ばれる巨大な組織に所属するエリートアサシンですが、組織の長を殺害した無実の罪をなすりつけられ、真犯人を探す旅で重傷を負ってしまいます。神秘的な治療士に救われるものの、余命は66日という制限付き。自らの命が尽きる前に事件の真相を暴かなくてはいけません。

”Soul”はカンフーのような体術を使いながら、スチームパンク風の重火器や弓矢も利用して戦います。このコンセプトはゲームの根幹となっており、”Soul”のアクションは、ブルース・リーやミシェル・ヨー、ドニー・イェンといった映画俳優たちの映えるアクションを取り入れ、スチームパンクの精神と融合させたビジュアル表現を”カンフー・パンク”と表しています。

そのため本作のアクションは、実写版『るろうに剣心』ではアクション監督、ドニー・イェン主演・制作の『燃えよデブゴン TOKYO MISSION』では監督を務めた谷垣健治氏を監修に迎え制作されました。

ソウルライクでハイスピードカンフーアクションを堪能

今回プレイできたデモ版は3つのステージで構成されており、最初のステージはチュートリアルを挟んでボス、次のステージではいきなりボス、そして最後のステージもまたまたボスという実質ボス3連戦というもの。

探索要素は全く味わえなかったものの、オープンワールドではなくオープンフィールドでリニアに進行する構成を目指している模様です。

UIは左下に回復薬、HP、スタミナに該当する”Sha-Chi”。右には近接武器2種類と遠距離武器2種類が表示されるのみ。ボス戦は中央上にボスのHPゲージが表示されるだけという非常にシンプルなものです。ただしデモ版はまだまだアルファレベル以前とのことなので、実際にリリースされる時はUIが変わっている可能性があります。

”Soul”を操作し始めて驚いたことは、とにかくアクションが軽快ということ。ソウルライクなのでもっとゆったりとした攻撃をするのかと思っていたら、簡単なコンボで手数の多い攻撃がでてきて爽快です。コンボによってはボタンを1回押したら何発も攻撃が入るものもあり、最初は攻撃の速度に慣れるのに少し手間取るほどのスピード感でした。

攻撃はSha-Chiを消費して繰り出すのですが、攻撃し続けてSha-Chiが無くなってしまっても武器を切り替えるとSha-Chiが全快するので、攻撃の手を休めることなく繰り出せるのも気持ちがいいポイント。素早い連撃と止まることのない攻撃で、脳汁がドバドバと出てきます。

Sha-Chiはガードにも使用するので、考え無しに攻撃しているとガードできなくなっていることも。攻撃のスピード感についていくので一杯で、Sha-Chiが空っぽと気がつかず手痛い反撃を食らうこともありました。攻撃が当たるタイミングでガードをするとパリィに派生してSha-Chiは消費せずに済みます。

敵もSha-Chiが設定されており、攻撃を当てたりパリィでSha-Chiを削って空にすると敵は無防備になり、コンボを叩きつけたり背後に回ってバックスタブを狙うこともできます。

また、パリィを成功させると近接武器にSha-Chi Essenceというゲージが溜まり、Power Surgeという特殊技を発動できます。

敵も強力な攻撃を使ってくることがありますが、その瞬間に敵が青か赤に輝きます。青ならパリィで特殊回避が発動して敵のSha-Chiを大きく削りながら背後に回り、赤なら回避することでカウンターを当てながら背後に移動します。

遠距離攻撃は弓、大砲、火炎放射器の3種類を確認。弓は弾が多くて使い勝手が良く、大砲は隙が大きいものの一撃の威力が魅力です。どちらもSha-Chiを消費することでチャージして威力を上げられます。

火炎放射器は弾薬とSha-Chiどちらも消費しながら炎を吹くのですが、多段ヒット判定のよろけモーションで拘束できる点が圧倒的に有利です。

これら全てのアクションが、谷垣氏による監修のおかげでスタイリッシュかつ淀みなく繋がっていくのは、まるでムービーを観ているかのよう。本音を言えば、モーションブラーが効きすぎていてアクションが見えづらくなっているので、将来は設定で下げられるようにしてほしいです。

目指したのは『ダークソウル』より優しく初見クリアはできない難易度

難易度は雑魚敵はサクサク倒せますが、ボスは初見では難しいものの何度かトライすれば倒せるといったレベル。同席していた開発者の方曰く、『ダークソウル』ほどの難しくなく、初見で誰でも倒せるほど優しくもない難易度を目指しているとのことでした。また、将来は難易度設定の導入も検討しているとのことで、難しすぎるアクションが苦手な方も安心できそう。

実際、最初のボスはまだアクションに慣れていなかったので1回負けてしまいましたが、2体目のボスは初見で倒すことができました。この時、ボスが落とした大剣をそのまま装備できたのは達成感があります。

続く3体目のボスですが、開幕から即死技を使ってきてアッサリ2連続で撃沈。この技は柱の裏に隠れてやり過ごせると気がついた3戦目、柱に近寄ると突然柱にインタラクトのマークが?!

まさかと思いながらボタンを押すと柱を駆け上り、錐揉み回転しながらボスに突撃する特殊攻撃が発動! 柱を登る様は実写版『るろうに剣心』で観た壁走りの様で、谷垣氏のエッセンスを感じてテンションが上がります。自由にアクションをデザインできるゲームなのにワイヤーアクションをしている歪さが、異様にキマっています。

その後も何度か敗北をしたものの、やる気は全然めげません。このボスは剣と盾を用いて”Soul”と同じように手数の多い攻撃とガードの緩急が激しく、必然的にこちらのパリィの回数も多くなります。ボスの攻撃をリズム良く回避している気持ちよさと、ミスったら危ないという緊張感が心地よく楽しませてくれます。

しっかりと青と赤の攻撃にカウンターを合わせてHPを削り、最後にフィニッシャーでトドメを刺した時の気持ちよさはたまりません。確かに『ダークソウル』ほどの難しさではないですが、達成感もちゃんと味わえる程よいバランスと感じられました。


現時点では発売時期は未定ですが、今年9月26日から29日まで開催される東京ゲームショウ2024でもデモ機を出展予定とのことなので、気になった方はぜひ会場でプレイしてみてください。

『Phantom Blade Zero』は、PS5/PC向けに発売予定です。

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