母子家庭やひとり親家庭が利用できる奨学金はありますか?

物価高が続く中、子どもの大学進学について頭を悩ませている家庭もあるのではないでしょうか。

特に母子家庭やひとり親世帯では、子どもの学費について負担を感じることもあるでしょう。

日本には学費の負担を減らすためにさまざまな奨学金制度があります。

この記事では、母子家庭やひとり親家庭が利用できる奨学金について解説します。

母子家庭(ひとり親世帯)向け給付型奨学金3選

奨学金は大きく分けて給付型奨学金と貸与型奨学金があります。

給付型奨学金は奨学金を返済する必要がありません。

貸与型奨学金は、将来的に奨学金を返済しなければなりません。

奨学金の中には、母子家庭やひとり親世帯に向けた給付型奨学金があります。

ここでは、代表的な3つの奨学金について解説します。

  • 日本学生支援機構(給付型)
  • 全国母子寡婦福祉団体協議会
  • みずほ農場教育財団

日本学生支援機構(給付型)

日本学生支援機構の給付型奨学金は、大学などへの進学が経済的に難しい学生を支援する目的で設けられています。

給付型奨学金の対象者は、授業料と入学金の免除、減額を受けることができます。

給付型奨学金は、世帯の収入金額に応じて区分が設定されており、給付額が異なります。

また、進学先が大学の場合は私立か国公立か、自宅から通学するか、一人暮らしするかによっても給付額は変わってきます。

【支援額】
毎月7,300円~7万5800円
※住民税非課税世帯(年収270万円以下)で私立大学に通う場合、入学金26万円、授業料約70万円(年間)が支給されます。

【申込条件】

  • 世帯収入や資産基準を満たしていること
  • 進学先で学ぶ意欲があること

全国母子寡婦福祉団体協議会

全国母子寡婦福祉団体協議会が運営する「夢を応援基金『ひとり親家庭支援奨学金制度』」では、全国の中学3年生と高校生などを支援対象者としています。

支援額は一律毎月3万円と決まっています。

また、世帯1人あたりの収入平均額が100万円以上の場合や、学校出席率が80%未満の場合(ケガ、病気など正当な理由がある場合を除く)は申し込みができません。

【支援額】
月3万円

【申込条件】

  • ひとり親世帯(母子家庭・父子家庭等)で就学に関して経済的に困難な生徒
  • 夢の実現に向けた意欲があり、社会貢献に積極的な品行方正な生徒
  • 全母子協加盟団体の会員、および入会を希望する人の子ども
  • 会員登録している団体、および入会を希望する団体の代表者から推薦を受けられる生徒

みずほ農場教育財団

みずほ農場教育財団は、経済的理由で修学が難しいひとり親家庭の成績優秀者を対象に、奨学金制度を用意しています。

大学に行く場合の支援額は毎月3万円です。

【支援額】
月3万円

【申込条件】

  • 母子家庭・父子家庭(ひとり親家庭)
  • 全履修科目について5段階評価平均が4.5以上
  • 人物及び学業がともに優れている人
  • 経済的理由により修学が困難な人
  • 大学の場合年収400万円以下

給付型の審査に落ちたら貸与型も

給付型の奨学金は条件が厳しいため、審査に落ちる場合もあります。

その際は貸与型の奨学金も検討してみましょう。

貸与型の奨学金の一例は以下の通りです。

  • 日本学生支援機構(貸与型)
  • あしなが育英会
  • いっしん育英会

日本学生支援機構(貸与型)

日本学生支援機構は貸与型の奨学金も運営しています。

貸与型奨学金には、利子がつかない「第一種奨学金」と利子がつく「第二種奨学金」があります。

それぞれ受けられる条件が異なっており、第一種は第二種よりも収入・成績ともに条件が厳しくなっています。

第一種の支援額と申込条件は以下の通りです。

【支援額】
毎月2万~6万4000円(私立か国公立か、自宅通学か自宅外通学かで金額は異なる)

【申込条件】

  • 世帯収入や資産基準を満たしていること(親と子どものみの場合世帯収入として761万円未満が目安)
  • 第一種奨学金の学力基準は、全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上であること

あしなが育英会

あしなが育英会の奨学金は、無利子で20年かけて少しずつ返済すればよいという特徴があります。

進学や生活困難など事情があるときは、返還を先延ばしにすることができる点も特徴です。

【支援額】
毎月4万円または5万円

【申込条件】

  • 病気や災害、自死で親を亡くした、または親が1級から5級の障がい認定を受けている家庭の子ども
  • 大学に進学を希望している人

いっしん育英会

いっしん育英会の貸与型奨学金は、経済的に恵まれない学生を援助する目的で設立されました。

奨学金は無利子で借りることができ、返済は貸与終了(卒業等)の翌月から起算して6ヵ月経過後より、月1万円ずつです。

ただし、対象は愛知県内に居住している人のみです。

【支援額】
月3万円

【申込条件】

  • 大学進学を志望し、入学試験に合格の見込みであること
  • 出願の時点で愛知県内に居住し、人物、学業とも優れ、経済的理由により修学が困難な人

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