JFしまね岸会長に約4150万円の支払い命じる判決 松江地裁「職務を怠り、組合に損害与えた」との判断

JFしまねのトップ・岸宏会長が、不適切な会計処理や職務怠慢などで組合に損害を与えたとして、35人の組合員が1億円余りの損害賠償を求めていた裁判で、松江地裁は28日、岸会長に4000万円余の支払いを命じる判決を言い渡しました。

JFしまねの岸宏会長が、業務上必要ないとされる視察を行い、法人税・消費税の申告が遅れ、加算税の支払いを生じさせるなどして組合に損害を与えたとして、2021年にJFしまねの組合員35人が岸会長に対し、約1億700万円の賠償を求めて訴えを起こしていました。
裁判で岸会長側は、視察は必要な業務で、税の申告遅れも精査に時間を要したためだったなどと主張し、訴えを棄却するよう求め、全面的に争う姿勢を示していました。
28日の判決公判で、松江地裁の三島恭子裁判長は「岸会長が職務を怠ったことが認められ、組合は損害を被った」として、岸会長に約4150万円の支払いを命じました。
判決で裁判所は、視察費用の一部は私的な飲食費にあたり、高額の宿泊費も規定を超えて支給され、組合に損害を与えたと指摘。税の申告遅れも精査に時間を要したとする被告側の主張は認められないなどとして、6つの争点のうち4つについて原告側の訴えを認めました。

原告側・岡崎由美子弁護士:
裁判所が良く判断してくれたと評価している。

原告の1人・福田薫さん:
(岸会長には)判決を真摯に受け止め、抵抗してもらわないで、受け入れてもらいたい。

判決を受けて、原告の代表が会見を開き、JFしまねは正常に運営されていないとして、監督権をもつ島根県に対し、正常化に向けて積極的に関与するよう訴えました。

岸会長は法廷に姿を見せませんでしたが、JFしまねを通じて「自分の主張が認められなかった部分については控訴する考えです」とコメントしました。

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