【独自】逃走中の八田與一容疑者がかつて交際相手に宛てた手紙に「思いやりなど大切に」 遺族の声は届くか 大分・別府ひき逃げ事件

“別府ひき逃げ事件”で逃走中の八田與一容疑者(27)が交際相手に送った“手紙”を、「イット!」が独自入手した。
ひき逃げ事件発生から29日で2年となる中、八田容疑者は今どこにいるのかーー。
イット!では、目撃情報があった、“日雇い労働者が多く集まる”東京・山谷(さんや)を取材。
手紙や知人の証言から、懸賞金800万円の八田容疑者をめぐる、意外な“現状”が見えてきた。

道交法違反事件として全国初の重要指名手配

道路交通法違反事件としては全国で初めて、重要指名手配されている八田與一容疑者(27)。

2022年6月、大分・別府市でバイクに乗った大学生2人に車で追突して2人を死傷させ、現在も逃走を続けている。

“被害者の会”である『別府願う会』は28日、「大分県警の方に、警察署の方に、きょうは殺人罪へぜひ切り替えて、よりいっそう、指名手配犯・八田與一を捕まえるようにお願いに来ました」と、時効がない“殺人”への罪名変更を求める7万7000人以上の署名を提出した。

また大分県警は、八田容疑者の現在の風貌を想像して描いた、6パータンの似顔絵を公開した。
いずれも長髪の似顔絵で、ひげを生やした姿やオールバックでおでこを出した姿、さらにはメガネをかけた姿もある。

2024年3月、イット!が、八田容疑者の目撃情報があった大阪・西成を取材した際には、「普通に歩いてました!あっお前!指名手配、載ってたんちゃうん?って、からみに行った、僕普通に。で、しばいたろうと思ったら、走って逃げていった」と目撃証言する人はいたが、くわしく確認をすると別人だった。

大阪・西成の目撃情報は別人…東京・山谷では

そこでイット!は28日、新しい6枚の似顔絵をもとに、東京・山谷を独自取材した。

「この周辺では見たことないです」、「わかんない。見ないね」、「この人何やった人?覚えないね」。
話を聞いた100組に新たな目撃情報はなく、八田容疑者の名前や顔を“知っている人”も、わずか5組だった。

こうした中、 イット!は、八田容疑者が、以前交際していた相手に、事件を起こす前に宛てたという、3枚の直筆の“手紙”を入手。
元交際相手の女性は、逮捕につながる情報が少しでも寄せられればという思いで、手紙の提供をしてくれたが…。

「思いやりを持つ人間に変わる」という、皮肉な内容が記されていた。

八田容疑者からの手紙:
付き合っていく中で直さなきゃいけないと思い、反省することも最近よく出てくるようになりました。
1つ目が、理屈とか損得勘定で考えたり、その結果、感情とか良心とか気持ちをおろそかにしがちなところです。
大切なものを見失いがちなので、「想像力」とか思いやりなどを大切にしたいです。

しかし、良心をおろそかにしたままなのか、八田容疑者は逃走を続けている。

また八田容疑者とかつて生活を共にしていた知人は、手紙をめぐり、こんな姿を目撃していた。

自身の母親からの手紙には涙を流す一面も…

八田容疑者と生活していた知人:
母親から何回か手紙が来ていて、手紙を読んだときはやっぱり泣いてましたね。

自身の母親からの手紙に涙を流していた八田容疑者ーー。

ひき逃げ事件で大学生の息子を亡くした母親は、現在の心境について、「6月29日が近づくにつれ、気持ちが乱れていることに自分自身気がつきます。いまだに思い切り声を上げて泣くことができていません。迫り来るあと5年という時効の壁。全国での全力捜査、事件の早期解決を望みます」と寄せた。

八田容疑者に、被害者の母親の声は届くのだろうか。
情報提供は別府警察署(0977-21-2131)まで。
(「イット!」6月28日放送より)

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