いきもの彫刻「はしもとみお展」、だるまさんの「かがくいひろし展」 神戸の2美術館で開幕

いきものたちの息吹が感じられる作品が並ぶ「はしもとみお展」の会場。じかに触れ、質感も楽しめる=神戸市東灘区向洋町中2、神戸ゆかりの美術館

 子どもから大人まで楽しめる、夏休みにもぴったりな二つの特別展が29日、神戸・六甲アイランドの美術館で開幕する。神戸ゆかりの美術館が会場の「はしもとみお展-時を刻むいきものたち-」と、神戸ファッション美術館での「日本中の子どもたちを笑顔にした絵本作家 かがくいひろしの世界展」(ともに神戸新聞社など主催)。28日の内覧会には親子連れも招かれ、一足先に楽しんだ。 ### ■野良猫から水族館のジュゴンまで

 はしもとさんは豊岡市生まれ尼崎市育ち。幼少期から動物好きで獣医師を目指したが、15歳の時に阪神・淡路大震災を経験し、「命を違う形で残したい」と美術大学へ。現在は三重県にアトリエを構え、動物の彫刻作品を制作する。

 フィギュアサイズから高さ1メートルを超える作品まで約800点を展示。近所で見かけた野良猫や水族館のジュゴンなど表情豊かな動物が並ぶ。触れられる作品もあり、いきものたちの息吹をじかに感じられる。

 9月16日まで。午前10時~午後5時。月曜休館(7月15日と8月12日は開館し翌日休館)。一般1200円、高校生以下無料。神戸ゆかりの美術館TEL078.858.1520 (津田和納) ### ■「だるまさん」未完成のラフ画も

 「かがくいひろしの世界展」では、代表作「だるまさん」シリーズを含む全16作品の原画や未完作品のラフ画などを公開し、その歩みとともに制作背景を紹介する。

 かがくいさんは長年特別支援学校で働き、50歳で絵本作家デビュー。亡くなるまでの4年間で16作品を残した。累計発行部数900万部を超え、現在も広く子どもらに愛されている。

 会場では右へ左へ体を揺らすだるまのアニメーションや原画を、訪れた子どもたちが「だ・る・ま・さ・ん・が」と、一緒に揺れながら楽しんだ。教員時代に作った教材や、絵本の構想を書き留めたノートも並び、子どもたちと向き合い続けた姿が浮かび上がる。

 9月1日まで。午前10時~午後6時(入館は午後5時半まで)。月曜休館(7月15日と8月12日は開館し翌日休館)。一般千円、大学生と65歳以上500円、高校生以下、神戸市在住の65歳以上無料。神戸ファッション美術館TEL078.858.0050 (安藤真子)

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