H3ロケット3号機打ち上げは7月1日に延期 3号機の意義とは 鹿児島県・種子島

30日に種子島宇宙センターで予定されていたH3ロケット3号機の打ち上げは、天候不良のため、翌日の7月1日に延期されました。

JAXAは28日、種子島宇宙センターで会見を開き、30日に予定していたH3ロケット3号機の打ち上げについて、前日及び当日の天候悪化が予想されることから、7月1日の午後0時6分に延期すると発表しました。

H3ロケットに搭載される地球観測衛星だいち4号は、現在運用されているだいち2号と比較して観測幅と観測頻度が大きく進化し、ミリメートル単位の地殻変動を把握することが可能となっています。

JAXA 先進レーダ衛星プロジェクトチーム・有川善久プロジェクトマネージャ(鹿児島市出身)
「地元の声援、後押しを得ながら、H3の成功、さらにはだいち4号が軌道上でしっかりと機能を果たして、1日でも早く貢献出来る日を私も心待ちにしている」

打ち上げは延期されましたが、新たな主力ロケットとして期待されているH3ロケット。
3度目となる今回は、初となる実用衛星の打ち上げ成功の期待がかかる一つの節目と言えます。

日本の新たな主力ロケットとして期待されたH3ロケット初号機が打ち上げられたのは2023年3月。
しかし、2段目のエンジンに着火せず結果は失敗。搭載していた地球観測衛星、だいち3号も失いました。

それから約1年後。初号機の失敗原因全てに対策を打ち、打ち上げに成功した2号機。
しかし、初号機の失敗で衛星を失ったことから、2号機に搭載されたのは大型衛星と同等の重さのダミーでした。

あくまでロケットの飛行性能を確かめるための、いわば試験的な打ち上げ。そして迎えたのが3号機の打ち上げです。H3ロケット3号機には、地球観測衛星だいち4号が搭載されています。

H3ロケットでの初の大型衛星の打ち上げ成功がかかる3号機の位置づけを、有田誠プロジェクトマネージャは28日の会見でこう話しました。

JAXA H3プロジェクトチーム・有田誠プロジェクトマネージャ
「これがまぐれではないということをきちんと証明しないといけない、という意味で、この3号機の打ち上げはまさにその場になる。本格的な実用に向けて大事なステップになる」

連続で成功させることで運用性の高さ、そしてゆくゆくはH3ロケットが目指す低コスト化にもつながります。H3ロケットの一つの節目ともいえる3号機の打ち上げは、7月1日午後0時6分ごろの予定です。

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