ヒョンデのLMDhプログラムが近く決定か。チップ・ガナッシ・レーシングとの提携が有力視

 ヒョンデが、WEC世界耐久選手権とIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権の最高峰カテゴリーに参戦することができる、スポーツカーのトップクラスの仲間入りをする可能性が高い候補として浮上。韓国の自動車メーカーはプログラムの決定を間近に控えていると理解されている。

 複数の業界関係者がSportscar365に明かしたところによると、北米では高級ブランドの“Genesis(ジェネシス)”を展開するものと思われるこのメーカーは、早ければ2026年のWECとウェザーテック選手権のシーズンにLMDhマシンでデビューする可能性があるという。

 今年いっぱいでキャデラックと袂を分かつチップ・ガナッシ・レーシング(CGR)は、最低でもウェザーテック選手権のファクトリー契約を獲得する有力チームであると考えられている。

 ヒョンデ・モータースポーツのチーム代表であるシリル・アビテブールは、今年のル・マン24時間レースの現場に姿を見せていたことが知られている。『Auto Motor und Sport』の報道によれば、同氏はACOフランス西部自動車クラブとミーティングを行ったという。さらにこのドイツ誌は、ヒョンデはシャシー面でダラーラもしくはオレカと提携し、グリッケンハウスにレーシングエンジンを供給していたピポ・モチュールからエンジンを受け取る可能性が高いと報じた。

ヒョンデ・モータースポーツのシリル・アビテブール代表

 ヒョンデがLMDhメーカーに加わるといううわさは、ACOとIMSAの共同プラットフォームが発表された2020年まで遡る。当時、ヒョンデのTCRマシンでチャンピオンシップを制したブライアン・ハータ・オートスポートは当初、現在はチームにいない上級レベルの技術・運営スタッフを増強してプロトタイプカテゴリーに参加する予定だった。

 FIA国際自動車連盟とACO、さらにIMSAが、WECのハイパーカーとIMSAのGTPのレギュレーションを2029年シーズンまで二年間延長する決定を下したことは、ヒョンデがトップクラスのプロトタイプ・コンテストへのエントリーを再評価する原動力のひとつになったと考えられている。

 IMSAのジョン・ドゥーナン代表は先週末、ワトキンス・グレンでSportscar365に対し、ここ数週間でLMDhプログラムの交渉に入った新しいメーカーが「いくつか」あることを把握していると語った。

 物事が順調に進んだ場合、ヒョンデ/ジェネシスは、LMDhメーカーのアキュラ、キャデラック、ポルシェ、BMW、アルピーヌ、ランボルギーニのグループに加わるとともに、トヨタ、プジョー、フェラーリ、イソッタ・フラスキーニ、そして来季2025年からル・マン・ハイパーカー(LMH)規定車でWECとIMSAに参戦するアストンマーティンを含めた広義のハイパーカーグループに参加することとなる。

 なお、ヒョンデから最終決定やプログラムの発表スケジュールなどは、現段階では明らかになっていない。

IMSAミシュラン・パイロット・チャレンジに参戦しているヒョンデ・エラントラN TCR(ブライアン・ハータ・オートスポーツ)

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