【陸上】田中希実 早期のパリ五輪2種目内定に笑顔「自分の中でアドバンテージ」

大会新記録で5連覇を達成した田中希実

陸上女子中期距離界のエース・田中希実(ニューバランス)が〝1つの壁〟を乗り越えた。

28日に行われた日本選手権2日目(新潟・デンカビッグスワンスタジアム)の1500メートル決勝では「ペースメーカーの前に出るぐらいのレースをしたい」と序盤から積極的な走りを披露した。8位入賞を果たした東京五輪時に記録した3分59秒19は惜しくも届かなかったものの、パリ五輪の参加標準(4分2秒50)切りとなる4分1秒44をマークして5連覇を達成。「すごく不思議な気持ち」と頬を緩めた。

東京五輪後は3分台のタイムを出したことが、自身の重荷になったこともあった。自己ベストに及ばなかったとはいえ、パリ五輪切符を懸けた一戦での好走は一筋の光となった。「今まですごく苦しんでた数年のことを思うと、すごく飛び上がって喜んでもいいぐらいの記録に自分は感じる」と手応えを口にしつつも「世界の選手の走りを見たりとか、自分の持ちタイムのことを考えたりとか、今日の調子的にもここで4分を切っておきたい自分もいたりした」と反省も忘れなかった。

この日の結果を受け、1500&5000メートルの2種目でパリ五輪行きが決定。「今回はちゃんと2種目とも期限内に参加標準も切れた。ちゃんと堂々と乗り込めるところが自分の中でアドバンテージ」。花の都での祭典に向けて、新たなステージに降り立った。

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