日テレGP帯で視聴率2%…『たーたん』差し替えの『街並み照らすヤツら』なぜ失敗した?

SixTONES・森本慎太郎がGP帯ドラマ単独初主演を務める『街並み照らすヤツら』(日本テレビ系、土曜午後10時)が、6月29日の第10話で最終回を迎える。11月20日に同作を収録したBlu-ray&DVD-BOXの発売が決定し、ネット上では森本ファンが沸いているが、視聴率のほうは苦戦が強いられているようだ。

同ドラマは、妻とともに潰れかけのケーキ屋「恋の実」を営む店主・竹野正義が、店や家族を守るため、保険金欲しさで偽装強盗に手を染めてしまうヒューマンエンターテインメント。

同枠は当初、西炯子氏の人気漫画『たーたん』(小学館)を原作とするムロツヨシ主演ドラマの放送が予定されていたが、同局『セクシー田中さん』の原作者・芦原妃名子さんが1月に急死した騒動の影響で見送りに。そこで、急きょオリジナル作品である『街並み照らすヤツら』の企画が用意された、という特殊な経緯がある。

『街並み照らすヤツら』第9話に「ぼろぼろ泣いた」

そんな同作の第9話(22日放送)では、警察から逃げきれないと悟った正義(森本)が、妻の彩(森川葵)に離婚届けを突き付け、自首するために警察へ。

荒木(浜野謙太)が自分も捕まるのではないかと震える中、街の再開発のために店主たちを街から追い出した光一(伊藤健太郎)も焦り始める。そして、「全部自分がやった」とウソの供述をした正義が、運命の裁判に臨む……というストーリーだった。

この放送後、ネット上では「裁判が始まるまでの展開で、ぼろぼろ泣いた」「キャストが濃くて、演技がみんな良すぎる!」「話の展開が秀逸! 後半になるにつれ面白くなってきたから、みんなに見てほしい」と好意的な声が相次いだ。

だが、第9話の平均世帯視聴率は自己最低となる2.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。1月期の『婚活1000本ノック』(フジテレビ系)の最終回が2.0%だったため、単話における“GP帯連続ドラマ史上最低”はなんとか免れたものの、最終回の数字がさらに下回る可能性も否定できない。

『街並み照らすヤツら』TVerお気に入り数、1カ月以上増えず

また、民放公式動画配信サービス・TVerのお気に入り数は10.7万人(6月27日時点)とGP帯とは思い難い記録的な少なさで、1カ月以上まったく増えていないのだ。

なお、『婚活1000本ノック』は放送当時、TVerお気に入り数が90万人を超えており、多くの若者から支持されていた。しかし、『街並み照らすヤツら』は若いネット視聴者にいまいちアプローチできていないようで、コア視聴率も1%を下回るなど大苦戦している。

ここまでの惨敗を喫してしまった一因としては、やはり準備期間の不足が指摘されている。

連ドラは通常、制作発表までに長い時間をかけて情報のリサーチをし、企画を練り、オファーする俳優を選定するものだが、同作は急ごしらえであったため、ひとまず4月中のスタートに間に合わせることが優先されたのだろう。

さらに、4月期は高視聴率を獲得した『アンチヒーロー』(TBS系)や『Believe-君にかける橋-』(テレビ朝日系)といった骨太なドラマが注目され、深夜ドラマも映画化が決まっているものなど話題性のある作品が目立った。

そんな中、“ケーキ屋の主人を中心としたドタバタもの”という『街並み照らすヤツら』のイントロは、残念ながら埋もれてしまったのかもしれない。

「第8話以降、とんでもなく面白い」といった声も見られる『街並み照らすヤツら』。最終回で挽回できるだろうか。

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