三ツ知、インドに進出 27年から締結部品生産

「インドでの日系メーカーの生産に貢献していく」と語る中村社長

 自動車用締結部品を製造する三ツ知(本社春日井市)の中村和志社長は中部経済新聞の取材に応じ、インドに初となる工場を建設する方針を明らかにした。27年から締結部品の生産をめざす。スズキのインド子会社、マルチスズキ向けの受注を増やす狙い。中村社長は「品質、コストの面で競争力を高め、規模拡大を目指す」と力を込める。

 三ツ知は5月、インドの締結部品メーカー「スーパースクリュー」と、合弁会社設立に向けた覚書を締結した。新会社は25年1月に設立し、三ツ知が51%出資する。
 中村社長は「スーパースクリューは、熱処理やメッキ工程など、当社にはないノウハウがある。お互いの技術で相乗効果を生み出したい」と意気込む。
 三ツ知は、タイやアメリカ、中国に生産拠点を持つ。インドにはこれまで、タイの拠点などから部品を輸出していた。インド工場の稼働などで、同国での年間売上高を現状の約1億5千万円から、30年に約10億円まで引き上げる考えだ。
 現在、海外事業の稼ぎ頭はタイの拠点で、年間売り上げ規模は約20億円。中村社長は「中国完成車メーカーの台頭などで、将来的に事業環境は厳しくなる」と分析。「インドで品質、コストで競争力を生み出し、成長路線に乗せていきたい」と語った。
 三ツ知は、自動車のシート向けなどを中心に、締結部品を製造している。2024年4月期の売上高は、約134億円を見込む。

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