イタリア警察、中国の人身売買集団を摘発―シンガポールメディア

27日、シンガポールメディア・聯合早報は、イタリア警察が中国人の密入国をあっせんし人身売買を行う犯罪グループを摘発したと報じた。

2024年6月27日、シンガポールメディア・聯合早報は、イタリア警察が中国人の密入国をあっせんし人身売買を行う犯罪グループを摘発したと報じた。

記事は、イタリア警察当局が今年1月、スロベニアとの国境で定例の検問を行っていた際にパスポートなどの身分証明書を持っていない中国人4人を発見したことがきっかけで、人身売買組織の存在を突き止めたと伝えた。

そして、イタリア警察当局が26日に発表した声明の中で、犯罪組織は中国からの密入国者にきれいな身なりをさせ、高級車に乗せるという「小ロット」方式によりセルビアやクロアチア、スロベニアなどノービザ入国が認められている国を経由してイタリアに入国させていたこと、イタリア入国後に密入国者がベネチア付近の「安置所」へと輸送された後、同国内やフランス、スペインなどの都市へと移動させられていたことが明らかになったとした。

また、ベネチア付近の「安置所」に送られた密入国者は当局からの摘発を逃れるためにパスポートを没収し、渡航費を返却するために劣悪な環境の中で奴隷のように労働を強いられていたと紹介。声明では「医療援助はなく、あるのはベッド1台と無期限に働かされる場所のみ」と表現されていたことを伝えた。

記事は、警察が摘発によって人身売買グループのメンバー9人を逮捕するとともに、身分証のない密入国者77人を見つけたと紹介。密入国者の多くは女性で、15〜18歳の未成年者もいたと伝えている。(翻訳・編集/川尻)

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