Snow Man目黒蓮にトシちゃん……坂本冬美の推し活事情「どことなく昭和の香りがして男気も感じる」

坂本冬美 撮影/有坂政晴

圧倒的な歌唱力で、聴く人を物語の世界に引き込む、演歌歌手の坂本冬美。19歳で歌の世界に入り、デビュー曲『あばれ太鼓』が大ヒット。翌年には『祝い酒』でNHK紅白歌合戦に初出場し、通算35回目となった2023年は、JO1×BE:FIRSTを従えて『夜桜お七』を熱唱し話題になった。ジャンルを超えて活躍する坂本は、今年6月26日にカバーアルバム『想いびと』をリリース。数多くの心に染みる歌を世に送り出してきた坂本冬美のTHE CHANGEとは──。【第3回/全4回】

演歌歌手としてステージに立つ坂本冬美はキリリと和服を着こなし、情感たっぷりに歌い上げるベテラン歌手。一方で、自身〝公認〟のものまねタレント、坂本冬休みとのコラボレーションでは、坂本冬休みのものまねをする茶目っ気を見せ、ブログでは草花や果樹を育てるガーデナーの一面も。プライベートでの坂本冬美とは……?

「自宅ではだいたい、韓国ドラマを見ています(笑)。さかのぼると、日本中が韓流ドラマにはまった、ヨン様、ビョン様のころから見ていて、私はビョン様推し(笑)。 ‘04年の紅白歌合戦にビョン様が出演されたときは、彼の動線を確認して待ち伏せし、握手をしていただきました!」

と、いきなりイメージを覆す発言。ちなみに、ビョン様とは、韓国人俳優のイ・ビョンホンのことである。

「その後、しばらく韓国ドラマから遠ざかっていたのですが、コロナ禍でまた、どっぷりはまってしまいました。以前は、ドロドロした報復ものをよく見ていたんですけど、最近はほっこりしたストーリーのものが好きですね。すっぴんにジャージで、ずーっと見てます」

Snow Manにトシちゃん……普段は〝推し活に熱心な冬美ちゃん〟

すっぴんにジャージの、坂本冬美……。とてもじゃないが、想像するのが難しい。

「お仕事ではきれいに私をつくっていただき、別世界に連れて行ってもらっていますが、普段の私はごくごく普通……いえ、普通の方以下で、おばさんを通り越してオヤジ化してしまっています。あ、でも、トシちゃんを見ているときは中学生の私に戻りますね。田原俊彦さんは私にとって永遠のアイドルなので」

テレビで『哀愁でいと』を歌う姿に恋をして以来、ビョン様に心惹(ひ)かれた時期はあったものの、トシちゃん一筋だった坂本だが、最近は他に気になるアイドルが出てきたという。

「どうしましょう……あまりあちこちで〝好き〟と言い過ぎて、もう口に出すのはやめたほうがいいのではと思い始めているのですが……Snow Manの目黒蓮くんです! あるとき何気なく見ていた歌番組で〝あれっ、なんかちょっと違うわ〟と注目したのが始まりですね」

──どこが「違うわ」と思われたのでしょうか?

「どことなく昭和の香りがして、でも男気も感じる。ああ、いいなぁ、ステキだなぁ、と。生でパフォーマンスを拝見したら、Snow Manのみなさんは、ダンスはお上手だし、メンバーの仲がいいし、礼儀正しいし……陰ながら応援しています」

そう語る坂本の表情は、少女のようで、アイドルに夢中になることは女性にとって元気の素であると感じる。

「本当に、そう。トシちゃんにお仕事でお会いしたり、ときに一緒に歌わせていただたりすれば胸がときめき、Snow Manを母親目線で〝がんばれ!〟と応援し、韓国ドラマで疑似恋愛をし……。一方、歌のお仕事では物語の主人公を演じられる。そういう意味では、プライベートでもお仕事でも十分に満たされていて、現実で恋愛したり結婚したりというのは、もういいかなという感じですね」

坂本冬美 撮影/有坂政晴

若い才能にも敬意を払う謙虚さが魅力

Snow Manだけでなく、音楽番組で一緒になる若手アーティストや、今年2024年5月にテレビ朝日系で放送されたドラマ『霊験お初〜震える岩〜』で共演した俳優、上白石萌音やSixTONESの京本大我といった若手俳優に対しても、「自然体で、なんでもこなせる器用さを持っている」と感じるという。

「今回のカバーアルバムに収録されている『花瓶の花』の石崎ひゅーいさんは、これまで存じ上げなかったのですが、いい歌だなと思っていた菅田将暉さんの『さよならエレジー』の作詞作曲をされた方だと知って、なるほど! と。『花瓶の花』も、聴いてすぐ、絶対に歌いたいと思いました。でも、いざ歌ってみると音域が広くて、難しかったですね」

『想いびと』に収められた10曲のアレンジも、若い音楽家に依頼したものが多い。

「才能のある方がどんどん出てこられるのは、とても嬉しいことですし、私も頑張らなくてはと励みになります」

坂本冬美(さかもと・ふゆみ)
1967年3月30日生まれ、和歌山県出身。‘86年、NHK『勝ち抜き歌謡天国』和歌山大会で名人となり、同番組で歌唱指導をしていた猪俣公章氏のすすめで上京。内弟子を経て’87年に『あばれ太鼓』でデビュー。‘88年、『祝い酒』でNHK紅白歌合戦に初出場。その後、RCサクセションのアルバムに参加し、’91年には、忌野清志郎、細野晴臣とロックユニットHISを結成して活動の場を大きく広げる。‘09年に発表した『また君に恋してる』は第52回日本レコード大賞で特別賞を受賞するなど、記録的なヒットとなった。今年2024年は2月21日にシングル『ほろ酔い満月』を、6月26日に最新カバーアルバム『想いびと』をリリース。

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