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遺族基礎年金と遺族厚生年金の受給要件
遺族年金は、遺族基礎年金と遺族厚生年金の2種類に分類され、亡くなった人がどちらの年金に加入していたかによって受け取れる年金が異なります。それぞれの遺族年金の特徴と受給要件をまとめて解説します。
遺族基礎年金
遺族基礎年金は、国民年金に加入していた者が死亡した際に支給される制度です。受給要件と受給対象者は図表のとおりで、子のいる配偶者や子が年金を受け取れます。
【図表1】
※日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」より筆者作成
遺族基礎年金を受け取るためのポイントとなるのが、子がいるかどうかです。子のいない場合は遺族基礎年金の受給対象に該当しないため、自身で収入を確保しなければなりません。
遺族厚生年金
遺族厚生年金は、会社員や公務員といった厚生年金に加入していた者が死亡した際に支給される年金です。遺族厚生年金の受給要件と受給対象者は図表2のとおりで、子のない配偶者や父母なども含まれています。
【図表2】
※日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」より筆者作成
死亡した者の収入で生計を維持していた遺族に対して支給される点は、遺族基礎年金と同じです。ただし、子のない配偶者や父母などが受給対象者になるなど、遺族基礎年金と比べて対象の幅が広がっています。
遺族年金をもらえないケース
遺族年金をもらえるのは、受給要件を満たしている、かつ受給資対象者に該当する人のみです。遺族年金をもらえないケースは以下のとおりなので、事前に内容をチェックしておきましょう。
__・受給要件を満たす子がいない
・遺族の生計維持が認められない
・配偶者が再婚または子が結婚した
・死亡者に年金保険料の未納・滞納がある__
受給要件を満たす子がいない
遺族基礎年金は子のいる配偶者または子に限ります。子がいない場合は遺族基礎年金をもらえません。遺族厚生年金は、30歳未満の子のない妻に受給資格はありますが、受給期間は5年間に限定されます。
遺族の生計維持が認められない
遺族年金は、死亡当時、死亡した人に生計を維持されていた遺族が受け取れます。生計を維持されているとは以下のとおりで、該当しない場合は受け取れません。
__・同一生計である(同居している、別居中でも仕送りをしている、健康保険の扶養親族であるなど)
・原則として、前年の収入が850万円未満、または所得が655万5000円未満の人__
配偶者が再婚または子が結婚した
遺族年金を受給している配偶者が再婚、子が婚姻した際には受給資格を喪失します。
死亡者に年金保険料の未納・滞納がある
死亡者が国民年金保険料を未納・滞納している場合、遺族年金をもらえないので注意してください。遺族年金をもらうために、以下の保険料納付要件を確認しておきましょう。
__・死亡日の前々月までの保険料納付済期間(保険料免除期間を含む)が国民年金加入期間の3分の2以上ある
・死亡日が2026年3月末日まで、死亡者が65歳未満の場合、死亡日の前日において、死亡日の前々月までの直近1年間に保険料未納がない__
なお、厚生年金に加入していれば、毎月の給与から保険料が天引きされるため、未納になることはありません。
遺族年金の受給は収入以外にもさまざまな要件がある
遺族年金は、一家の主たる生計者が死亡した際に、その遺族の生計を救済する制度です。遺族年金をもらうためには受給資格や受給対象者が定められており、遺族であれば無条件に受け取れるわけではありません。
遺族年金を受給するには、前年の収入が850万円未満といった収入面以外にも、18歳未満の子がいるなど、さまざまな要件があるので注意してください。
また、保険料の未納・滞納がある場合も遺族年金がもらえません。主たる生計者に保険料の未納や滞納がある場合は、事前に解消しておきましょう。
出典
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 さ行 生計維持
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー