東邦銀行2人が切磋琢磨、喜びの表彰台 日本陸上400

女子400メートルで優勝し、表彰台で笑顔を見せる松本奈菜子(左)と井戸アビゲイル風果(東邦銀行)

 東邦銀行勢が躍動した。新潟市のデンカビッグスワンスタジアムで28日に開かれた陸上の日本選手権では、女子400メートルで優勝した松本奈菜子(27)と、3位の井戸アビゲイル風果(23)の2人が表彰台に上がった。切磋琢磨(せっさたくま)してきた2人は、笑顔で喜びを分かち合った。

 松本、けが乗り越え「感謝」

 「前回優勝した時から監督やトレーナーさん、コーチの皆さんにすごく支えていただいたので、少しだけ恩返しできたかなと思う」。松本はゴール後、感謝の思いを口にした。

 2022年に日本選手権を制してからは故障続きだった。同年の年末に左足を疲労骨折。23年の日本選手権は調整不足が響き4位だった。今年5月の世界リレーでは、左脚の肉離れを発症。けがの度に支えになったのが、吉田真希子監督ら陸上部のスタッフ陣だった。

 「けがが目立ち、思うようなタイムは出してこられなかったが、監督らがたくさん尽くしてくれて、自分の意志を強く持って練習してくることができた」。感謝の思いが松本を突き動かした。復調途中だったが、積極的な走りにつながり、2年ぶりの頂点に立った。

 目標としていたパリ五輪の出場は厳しくなったが、松本は「けがの中で成長できたところもある。ここからは来年の東京開催の世界陸上出場に向け、日本記録更新を目指す」と力を込めた。

 井戸「200でも結果を」

 3位になった井戸は「松本さんに追い付くぞという思いで走った。目標だったメダルを獲得できて良かった」とレース後は松本の肩を抱いて喜んだ。

 400メートルは4月に始めたばかりで本職は200メートルだ。「400メートルに取り組んだことで後半の粘りが出てきた。200メートルでもいい結果を目指して頑張りたい」と意気込んだ。

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