富士山で7月に導入 登山者規制4000人 もし“3999人目”の時、家族4人で通行できる?

富士山の山梨県側では夜通し登る「弾丸登山」やオーバーツリーズムなどの対策のため、今年の7月1日から始まる夏山シーズンに初めて1日の登山者数の上限を4000人とするなど登山者数の規制が行われます。

もし登山者数が3999人目の時に家族4人で登山しようとしたら、1人しか登れないの?
山梨県の担当者に聞きました。

富士山で導入 そもそもどんな規制

登山者数の規制が行われるのは富士山の山頂を目指す4つの登山道のうち、登山者数のおよそ6割が利用する山梨県側にある吉田ルート。

5合目の登山道入口には仮設ゲートが設置され、7月からの夏山シーズン中は24時間体制で警備員が配置されます。

ゲートを閉鎖し、登山者を規制するのは次の2つの場合です。
▽午後4時から翌日の午前3時まで
▽1日の登山者数が4000人を超えた場合

*ただし、山小屋の宿泊者はゲート閉鎖後や上限の4000人に達していても通行することができます。

また、この夏からは通行料の徴収も

山梨県は吉田ルートを使う登山者から1人2000円の通行料を徴収します。
これは任意で1000円の支払いを求める富士山保全協力金、いわゆる入山料とは別です。
つまり、協力金を含めれば、5合目より先に行くためには1人、計3000円が必要となります。

登山者が事前に予約・決済ができるシステムも運用

通行料と富士山保全協力金は、登山日前日の午後11時59分まで公式予約サイトで予約・決済が可能です。
支払いはクレジットカードやスマホ決済で可能で、キャンセルによる返金は原則行われません。

1日4000人の登山者数規制の内、3000人分を予約枠、1000人分を当日枠としています。
事前の予約枠に空きがあれば、その分は当日枠に振り分けられます。

〈手続きとゲート通過の流れ〉
①予約サイトで支払いを済ませ予約が完了するとQRコードが届きます。

②当日、このQRコードを5合目の窓口で提示することでリストバンドが渡されます。

③ゲートで警備員がリストバンドを確認、通過が出来ます。

どのようなケースで規制の対象となるのか山梨県の担当者に聞いてみました。

▽ケース① 通行料は支払い済み・・・でも時間に間に合わなかったら

事前に通行料の支払いを済ませていたが、午後4時のゲート閉鎖に間に合わなかった場合、残念ながら通行はできません。
ただし山小屋の予約が確認できれば通行することができます。

5合目に誘導する県のスタッフがいて、ゲート閉鎖の時間が近づいていることを声掛けしたり、案内の放送を行ったりする予定です。

▽ケース② 登山者数3999人目の時に4人家族で登ろうとしたら?

県の条例で6人までを1つのグループとし、人数の上限間際ではグループでの通行は認めるということです。それ以上の人数の団体の場合は通行は認めません。

麓にある「ふじさんパーキング」や富士急行線の河口湖駅では県のスタッフが、登山者枠残り800人くらいから周知する予定です。
また、X(旧Twitter)などでも上限の4000人が迫っていることを周知します。

日本の山でこのような登山者規制・コントロールは初めてとみられています。

去年の夏山シーズン、富士山は登山者が増えました。
環境省が山梨、静岡両県の8合目付近で行った調査で去年7月の開山日から9月10日の閉山日までの登山者の数はあわせて22万1322人で、前年の約1.4倍となりました。

過去10年間で6番目に多く、コロナ禍前の2019年とほぼ同じ水準に戻りました。

外国人観光客にも人気の富士山で導入されるだけに海外を含めた規制の周知も課題と言えますが、山梨県の取り組みが注目されています。

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