有効求人倍率1.19倍 5月の三重県内、雇用情勢引き下げ 三重労働局

 三重労働局は28日、5月の一般職業紹介状況を発表した。県内の有効求人倍率(季節調整値)は前月比0.02ポイント減の1.19倍。同局は雇用情勢の判断を11カ月ぶりに引き下げた。

 同局によると、有効求人倍率が低下するのは4カ月連続。3年ぶりに1.2倍を下回った。有効求人倍率の全国順位は前月から一つ上げて29位。12カ月連続で全国平均を下回った。

 有効求人数は前月比0.4%(108人)減の3万88人で、2カ月ぶりに減少。有効求職者数は1.1%(264人)増の2万5269人で、2カ月連続で増加した。

 雇用情勢は「求人が求職を上回って推移しているが、求人の動きには足踏みが見られ、改善の動きに弱さが見られる」と判断。前月までは「改善の動きに一部で弱さが見られる」としていた。

 新規求人倍率は、前月比0.23ポイント減の1.87倍。3カ月ぶりに前月を下回った。全18業種のうち、飲食や製造などの13業種が前年同月比で新規求人を減らし、5業種が増やした。

 このうち、製造業の新規求人は前年同月比3.7%(51人)減の1338人で、前年同月比としては2カ月ぶりの減少。自動車関連の求人は増加しつつ、生産用機械などが減少した。

 石田聡局長は記者会見で、求人の伸び悩みを受けて雇用情勢の判断を引き下げたと説明。「製造や運輸を中心に、多くの事業所が物価上昇による収益圧迫で増員に踏み切れていない」と述べた。

 先行きについては「しばらくは現状に近い有効求人倍率で推移するだろう」と説明。「ハローワークを通じて事業者に求人を呼びかける。求職者とのマッチングにも努めたい」と述べた。

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