“親友”のアレンとウィリアムスが去ったチャージャーズに慣れようとするWRパーマー

ロサンゼルス・チャージャーズのジョシュ・パーマー【AP Photo/David Becker】

ロサンゼルス・チャージャーズのワイドレシーバー(WR)であるジョシュ・パーマーにとって2024年のオフシーズンは、とあるミームで簡潔に要約できるかもしれない。

コメディドラマ『The Fresh Prince of Bel Air(ベルエアのフレッシュ・プリンス)』のラストシーンで誰もいないベルエアの邸宅に立つウィル・スミスのキャラクターを、パーマーに置き換えるだけでいい。少なくとも、レシーバー仲間のキーナン・アレン(シカゴ・ベアーズへ移籍)とマイク・ウィリアムス(ニューヨーク・ジェッツへ移籍)が去った今、表面的にはそう見える。

チャージャーズの公式サイトによると、パーマーは今オフシーズンにアレンやウィリアムスがいなくなったフィールドに立ったことに触れ、「俺にとってはかなり違う感じだったよ。他の人のことは分からないけれどね。いつも親友の2人がそばにいたのに、今はいないんだから本当に変な感じ。でも、彼らにはいつでも連絡できるし、俺は前に進む準備ができている」と語ったという。

とはいえ、パーマーが1人になったわけではない。チャージャーズの新しいレシーバー陣の中では経験を積んだ“先輩”になっただけだ。これが弱冠24歳のパーマーに当てはまるという事実が、新シーズンを迎えるチャージャーズのレシーバーグループの状況をすべて物語っていると言えよう。

2024年のドラフト前、レシーバー陣の状況は厳しかった。アレンとウィリアムスが去った後、チャージャーズに残されたのはパーマーに加えて、昨年に期待外れのルーキーシーズンを過ごしたクエンティン・ジョンストン、そしてジャーニーマンである27歳のD.J.チャークだけだった。チャークはジャクソンビル・ジャガーズ、デトロイト・ライオンズ、カロライナ・パンサーズで6シーズンを過ごしたものの、1,000ヤード超えを記録したシーズンはわずか1回きりだ。

チャージャーズには選択肢を増やす必要があり、それに対応するように、ジョージア大学出身の傑出した(2024年オールコンバインチームに選出されてもいる)ラッド・マコンキーを指名し、ドラフト3日目には伝説的な選手であるジェリー・ライスの息子で、南カリフォルニア大学(USC)出身のブレンデン・ライスをドラフトしている。

この2人の指名ですべてが解決するわけではないが、他の候補よりはいいだろう。ただし、マコンキーとライスは3シーズン多くNFLの経験を持つパーマーから指導を受ける必要があるかもしれない。

吉報なのは、チャージャーズには問題点を解消し、若手選手を成長させるための準備期間があることだ。ヘッドコーチ(HC)ジム・ハーボーが新たに指揮を執る中で、パーマーによれば、レシーバー陣を含む全員が「まだお互いについて学んでいる」段階だという。すぐに結果を出さなければならないというプレッシャーはない――少なくともここ数シーズンほど強くはない。

この1カ月を入学したての大学1年生にたとえると、新学期の1週目がキャンプの始まり、シーズン第1週が最初の試験だ。

もしかすると、その頃には、パーマーはかつての先輩たちを恋しく思っているかもしれない。

パーマーは「キーナンとマイクはいい友達だし、彼らを尊敬しているから、ちょっと悲しかった。でも、フットボールの観点から言えば、これはビジネスだ」とコメント。

新しいベテランとして、新たな友人を作る時が来たようだ。

【KO】

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