4-3-3の崩し③ウイングにボールが渡ったらポケットにランニング

５つの攻撃パターン②

ニアゾーンは守備を難しくさせるエリア

ウイング（WG）にボールが入ったとき、サイドバック（SB）やインサイドハーフ（SH）と数的優位なシーンを作る説明をしましたが、このサポートの動きで有効なのがニアゾーンと呼ばれるポケットへのランニングです。ペナルティエリアのサイドに位置するこのゾーンへの侵入はゴールチャンスを多く作れます。なぜならポケットは守備の難しさが生まれるからです。折り返しのクロスやシュート性のパスは対応しづらく、しかも飛び込んでファウルをしたらPKを献上してしまう怖さがあるからです。

タッチライン際でウイングにボールが渡った

ポケットとはペナルティエリアの左右の外側のエリア。WGにボールが渡ったら、ここへのランニングは効果的。

ポケットへの侵入はデザインされた形を作っておくと良い。

ポケットへのランニングで崩す

SHがポケットにランニングをしてWGはそこにボールを入れる。ポケットの侵入はもちろんSBのインナーラップでもOKだ。

現代サッカーの攻撃の狙いの１つがポケットへの侵入だ。

【出典】『サッカー 局面を打開する デキる選手の動き方』 著:林陵平

【書誌情報】
『サッカー 局面を打開する デキる選手の動き方』
著:林陵平

日本がワールドカップなどに出場できるようになって以来、ドリブルやシュートといった個人技以外に、選手それぞれの「動き方」というのが注目されるようになってきました。「オフ・ザ・ボール」と言われる、ボールを持っていない時の動き方のことです。実際にボールを持っているプレイヤーは一人ですので、その他大勢のプレイヤーがどう動くのかが試合展開や勝敗を左右し、各監督の戦術につながる考え方の基盤となります。本書はポジションごとの動き方はもちろん、攻撃時・守備時・サイドアタック・フィニッシュなどの目的別の動き方、体の使い方、戦術を写真とイラストで解説し、QRコードから動画視聴もできます。現代の欧州サッカーに精通している著者を起用することで、強豪国などが実際に行っているサッカー戦略、ポジショニング、動き方を解説できます。