圧巻の「80分ノンストップ漫才」、テンダラー30周年記念公演

漫才師・テンダラー(白川悟実、浜本広晃)の結成30周年記念公演「漫才会in大阪」が6月29日、「なんばグランド花月」(大阪市中央区)でおこなわれた。チケット即完の満員御礼、拍手笑いが続いた2時間の公演なか、オープニングからは約80分間ノンストップ漫才で客を圧倒した。

テンダラー結成30周年記念公演「漫才会in大阪」より

■ ともに50代、中盤にはまさかの息切れも?

NSC大阪校12期出身、1994年に結成したテンダラー。関西を拠点に活動し、2015年には『第50回上方漫才大賞』大賞を受賞、「劇場番長」の名を欲しいままにしている。現在、白川は53歳、浜本は50歳となった。

漫才師としての実力は折り紙つきの2人だが、意外にも賞レースでの受賞歴は少ない。『M-1グランプリ』への出場は芸歴制限から4度のみ。何も出られる大会がない6〜7年の間も単独ライブを続け、周年公演前の会見で浜本は、「2010年くらいに『大阪できっちりやっていこう』と決めて。そして2011年の『THE MANZAI』で、ビートたけしさんに『おもしろい』と言っていただけたのは本当にうれしかったですね」と振りかえっていた。

公演初日の「NGK」は満員御礼。大きな拍手に迎えられ2人が登場し、漫才がスタートしたと思いきや、そこからなんと約1時間20分ノンストップのパフォーマンスを披露した。

中盤に激しい動きのあるネタをする際には白川の息が切れ始め、浜本に「一服する?」とツッコまれる一幕も。「このネタは前半にやらなアカン!(笑)30年になりましたから」と白川は笑顔を見せ、そこから白川の現在のバンド活動についてのフリートークに。しばらくすると浜本が「息は整いましたか?」と確認を取り、再び漫才がスタートした。

持ち前のテンポの良さ、そして言葉を使わずジェスチャーでも爆笑をさらっていく姿は「圧巻」の一言だった。

■ 海原やすよ ともこ登場、会場どよめく

テンダラー結成30周年記念公演「漫才会in大阪」より

長尺漫才のあとに披露したコントには、海原やすよ ともこがサプライズ登場。会場はどよめき、大きな拍手が送られた。5年前の25周年公演時にも出演しており、やすよは「普段こんなことせぇへんから緊張してる」と明かしていた。

ともこは「また呼んでもらえたから、私たちこの5年間ちゃんと頑張れたんやなって。絶対変になったら呼ばへんやん!絶対そうですよね!?」と客席に呼びかけ、「また新たな目標ができた。5年後も呼んでもらえるように頑張らないと」と意気込み、浜本は「それはこっちのセリフ。俺らも5年後も頑張ってできるように頑張らないとあかんなと」と噛みしめた。

『テンダラー結成30周年記念公演「漫才会in大阪」』は、8月に広島、9月にはアメリカ・ロサンゼルスの公演を控えている。その後は名古屋、東京とまわり、12月に同じく「なんばグランド花月」にて締めくくりとなる。

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