みらいⅡ、関根浜(青森県むつ市)を母港に 2026年完成予定 海洋機構の研究船

2026年11月に完成予定の「みらいⅡ」。母港にはむつ市の関根浜港が選ばれた(海洋研究開発機構提供)

 海洋研究開発機構(本部・神奈川県横須賀市)は28日、2026年11月ごろの完成を目指す海洋地球研究船「みらいⅡ(ツー)」の母港を、青森県むつ市関根浜港に決定したと発表した。

 みらいⅡの前身である「みらい」は関根浜港を母港とし、国内初の原子力船「むつ」を改造した海洋研究船として1997年に就航。老朽化のため、同機構は新たな研究船の建造を、2021年8月に着手した。みらいは25年度での退役が決まっている。

 みらいⅡは全長128メートル・幅23メートル、総トン数1万3千トンで、乗員数は97人。同機構によると、新船は船体が砕氷構造となっているため、夏-秋ごろは北極域の氷を砕きながら航行することが可能となり、観測域が広がるメリットがあるという。

 みらいⅡの母港を巡っては、むつ市やむつ市議会が関根浜港を母港とするよう要望してきた経緯がある。同機構の担当者は、選定理由について「要望があったことも勘案した。みらいⅡはみらいの観測機能を引き継いでいるので、母港も引き継ぐことが望ましい」と述べた。みらいⅡが完成し、関根浜港に寄港した際は機材や燃料、物資の積み込み作業を行う予定だが、現時点で具体的なスケジュールは決まっていないという。

 母港の決定を受け、宮下宗一郎県知事は「むつ市を拠点として、研究活動を活性化させ、北極域だけでなく地球環境全体の『未来』への貢献を期待する」、山本知也むつ市長は「(市と市議会の)要望活動を受け止めていただき、むつ市が『みらい』と共に歩んできた長い歴史が形として結実し大変うれしい。今後も世界の海洋を舞台にした活躍に期待している」と、それぞれコメントを出した。

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