河合優実「今はお仕事だけ」 作品への取り組みと地続きに

河合優実

女優の河合優実が29日、新宿バルト9で行われたアニメーション映画『ルックバック』(公開中)の公開記念舞台あいさつに吉田美月喜押山清高監督と共に登壇。河合は本作が声優初挑戦となったが「初めてがこの作品で良かった」とすがすがしい笑顔で語り、現在熱中していることに「ないです」と仕事一筋であることを明かしていた。

本作は、「チェンソーマン」などの藤本タツキの同名漫画を、『映画ドラえもん のび太の新恐竜』の演出や、アニメ「ライジングインパクト」シリーズのキャラクターデザインなどを担ってきた押山清高がアニメーション映画化。漫画好きという共通点から出会ったクラスの人気者の藤野(声:河合)と、不登校の京本(声:吉田)が、ひょんなことで出会い、漫画制作にまい進する姿を描く。

昨日から公開された本作。河合は映画化の情報が世に出されたときから「たくさんの方に期待されているなと感じていました」と語ると「初日からたくさんの方に観ていただけているようで、声優初挑戦がこの作品で良かったなと思います」と笑顔を見せる。

初めての声での芝居。さまざまなことが新鮮に映ったという二人だが、河合は「ディレクションに従うことがミッションをクリアするような感じだった」と普段の芝居との違いを語り、河合は物語後半で感情をあらわにするシーンについて、「台本では『うらぁー』と書かれていたのですが、何度かテイクを重ねてしまったんです」と振り返る。

そのとき、押山監督がブースにやってきて、河合いわく「150パーセントの力」で実演をしてくれたという。そんな押山監督の姿に河合は「忘れられない瞬間でした。実際に監督がやってくださった行為に対して感謝でした。なんて信頼のできる監督なんだろうって……」と感激したことを明かしていた。

二人の少女が漫画に熱中する姿が描かれる本作にちなんで、「いま熱中しているもの」についてトークが展開すると、河合は「ないんです」と苦笑い。映画、ドラマと作品が続いている現状だが、河合は「いまはお仕事だけ。趣味があるからお仕事を頑張れるというタイプではなく、作品に取り組むことと自分が地続きになっている。それしかない」といまは仕事がすべてだと語っていた。

イベント後半には、押山監督から河合&吉田へ直筆の似顔絵イラストをサプライズプレゼント。河合がマイクの前でアフレコに挑んでいる姿が描かれている色紙に「感動的です。こんな嬉しい気持ちになるなんて……」と感無量な表情を浮かべ、「宝物にします。アフレコをしていて藤野と自分が重なる部分があったので、それが具現化されたみたい」としみじみ語っていた。(磯部正和)

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